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拡大に拍車かかる世界の地熱開発と日本企業の活躍

世界第3位を誇る地下資源を生かす【3】

2012年5月31日(木)

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 前回まで、国内の地熱発電を巡る情勢について解説してきた。今回から2回にわたり海外の情勢を紹介する。世界の地熱開発は100年も前に遡るが、活火山地帯を抱える国が限られること、開発リスクを伴うことなどから、やはり地味な存在であった。しかし、温暖化防止やエネルギー・セキュリティーの観点から、開発量は着実に増えてきており、日本メーカーが大きな役割を演じている。

 今回は、世界動向を数字で確認した後、日本メーカーなどが活躍するインドネシア、フィリピンについて説明する。それぞれ2億4000万人、9000万人の人口を抱え、エネルギーの消費増が見込まれるなかで、強力な地熱推進策をとる両国は、日本が実効ある施策を考える上で、非常に参考になる。

世界で開発が加速する地熱発電

 世界的な再生可能エネルギーブームの中で、最近地熱発電の開発は進んでいる。世界地熱協会(IGA:International Geothermal Association)によれば、2010年の地熱発電の設備容量は約1100万キロワットであり、2005年の893万キロワットに対して約2割増となっている。発電量では、2005年の5万5709ギガワット時 に対して2010年は6万7246 ギガワット時で、設備利用率はそれぞれ70%、71%と安定している。一方、地熱を導入ないし開発を検討している国は、2007年の46カ国から2010年は70カ国に増えている。

 将来については、IGAは、2015年は2010年対比で約7割増の1850万キロワットと予想している。国際エネルギー機関(IEA)は、2011年6月にまとめた長期見通しで、「世界の地熱発電量は2050年までに10倍に拡大し、電力使用量に占める割合も0.3%から3.5%に伸びる」と、拡大に拍車がかかると見込む。資源を輸入する余裕がない新興国は、まず国産エネルギー資源の開発に頼ることになる。水力がそうであったように、技術が確立している地熱は、国際機関や先進国の支援があれば、導入できる。

 資料1-(1)は、国別の地熱の潜在量(ポテンシャル)と活火山の数を示している。産業総合研究所(産総研)の試算では、日本は約2300万キロワットの潜在量があり、米国3000万キロワット、インドネシア2900万キロワットに次いで3番目に位置する。600万キロワットで4位のフィリピンとの間に大きな格差があることから、日本はビッグ3の一角ということができる。

資料1-(1)主要地熱資源国の状況

  • (1)地熱資源量、活火山数(2010年)
  •  

国名 資源量(万kW) 活火山数(個)
アメリカ 3000 160
インドネシア 2779 146
日本 2347 119
フィリピン 600 47
メキシコ 600 39
アイスランド 580 33
ニュージーランド 365 20
イタリア 327 13

(出所)産業技術総合研究所

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「拡大に拍車かかる世界の地熱開発と日本企業の活躍」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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