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第3回 「金融」と「環境保全」のかけ算で動き出したプロジェクト

  • 山本 志丈

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2012年6月7日(木)

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 石黒は山本がシティバンクを離れてからも、その手腕を見込んで情報交換を続けていた。山本がはじめていた「森を守る」仕組みの話もおおよそ聞いていた。やや途方に暮れて地方都市から東京に戻った石黒は、直観的に山本の「森を守る」仕組みが、いずれ政策となり、その仕組みと組み合わせれば、石黒自身が提案している金融プランも自治体に受け入れてもらえるような気がした。山本と会うことにした。2011年1月のことである。

 都内で食事をしながらそれぞれの状況を話し合った二人が、それぞれの問題解決の糸口を相手方が持っていることに気付くのに時間はかからなかった。

 まず、山本が森林保全の必要性として、森林の公益機能の維持、改善を訴えた。特に森林の果たす水源涵養・水質改善機能について話が及んだ時、石黒は「これだ」と確信した。

 我が国において世界的にも稀な水質・水量の水道が維持できているのはまさに豊かで整備保全された森林のおかげである。森林が荒廃すれば水道事業がリスクにさらされる。水道に永久性の資金を導入し、これを活用して森林整備を行い、森を守り、水を守り、さらにその森林のCO2吸収量クレジットを販売して水道事業や森林整備費用など地方自治体の新たな財源にする。CO2吸収量クレジットの域内販売を通じ、地域の特産品のエコブランド化などを行い、企業価値の向上ならぬ地域価値向上と地方経済活性化までも展望できる。

 石黒は地方出張に行くたびに地域の地産品や特産品の素晴らしさが域内・域外双方において、必ずしもうまく伝わっていないことを感じていた。また、地元の人間にとっては当たり前すぎるものであると、その素晴らしさが地域に埋没しているような感覚があった。こうした地域の特徴を、域内・域外の消費者に分かりやすく伝えること、それが地域森林整備と結びつくことが大きな可能性に感じられた。また、折しも、外資による水源林の買収が取り沙汰されていた。水の安全保障に加え水源保全の重要性を訴える動きも広がり、危機感を抱いた自治体が水源保全に動くケースも目立ってきている。

 話はつながった。山本の方でも、森林の調査や審査かかる費用が「認定取得」の障害になっていた。小規模森林の集約化の促進で、認定取得の効率向上が期待できるような時に、「自治体の主導的な関与」があれば、地域全体を巻き込む動きも期待できる。なにより水道事業の所管は自治体である。地域全体においてこの水資源の保全を目指す森林整備保全の流れを主導してもらえれば、これ以上の強いサポートはない。

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