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“体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国

「反日」よりも「恐中」、「米中二股外交」に踏み出す

2012年6月5日(火)

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 米中対立が鮮明になるなか、韓国が中国に軍事協定の締結を提案した。経済的にも軍事的にも中国に飲み込まれそうになった韓国は、ついに米中間で二股外交に乗り出したのだ。

「韓米日3国同盟は中国からにらまれる」

 5月21日、韓国国防省報道官は定例会見で中韓両国の軍が相互に物資を融通できる協定を結ぶよう交渉中であると述べた。国連平和維持活動(PKO)や大規模災害、海賊対策での協力を想定したもので、報道官は「物品役務相互提供協定(ACSA)に似た内容」と説明した。

 この動きはまず、朝鮮日報が同日付朝刊で報じた。同紙の記事「政府、韓日軍事協定を推進しつつ中国にも提案」によると、韓国の外交通商省高官が最近、北京を訪れ中国政府に日本と協議中の軍事協定の内容に関し説明した際、中国にも同じような協定の締結を非公式に提案した。

 報道官の説明と異なるのは韓国が申し込んでいる軍事協定の内容で、同紙は「ACSA」ではなく「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」とした。交換した情報を第3国に漏らさないことを約束する協定で軍事機密を中韓で交換する布石だ。国防省が発表した通りACSAだけなのか、本当はGSOMIAも含むものの米国から叱られることを恐れそれはとぼけたのか、現時点では藪の中だ。

 日本は韓国に対しACSAとGSOMIA双方の締結を持ちかけている。しかし、韓国内に「『韓米日3国同盟』に組み込まれるきっかけとなりかねない。中国からにらまれることは避けるべきだ」との反対論が浮上したため、締結に至っていない。

 韓国政府が朝鮮日報にリークしたのは「同じ協定を申し込んだから中国からにらまれることはない」との理屈で日本との軍事協定締結に反対する勢力を抑えるのが狙い、と見る向きが多い。

保守系紙も「米中二股論」

 このニュースは日本ではさほど大きく扱われなかった。韓国国防省がこの軍事協定はPKOなど平時での協力であると説明したことに加え、すでに韓国がロシアなど旧共産圏国家ともGSOMIAを結んでいるためだ。

 ただ、日本の一部専門家はこの中韓軍事協定に警戒感を隠さない。まず、日本や米国にとって、ロシアと比べ中国とは衝突する可能性が高いからだ。次に「平時に限ったACSA」としても、それを手始めに軍事協力のレベルが高まって行くと見られるからだ。ある専門家は「中韓軍事協力が進めば、米中両国の艦船が黄海で対峙した時、韓国海軍が米中双方に軍需品を補給するという奇妙な状況も論理的には起こりうる」と述べ、韓国の姿勢に首をかしげた。

 韓国では経済に続き安全保障面でも“米中二股論”が台頭している。保守系親米紙の朝鮮日報でさえ「韓米同盟を基本にしながらも、中国との多様なレベルでの軍事協力を模索すべきだ」と主張するようになった(1月2日付「2012年新年特集=中国を再び見る」)。

コメント10件コメント/レビュー

『まして、サムスン、ヒュンダイ、ポスコを熟柿が落ちるがごとく、中国に譲り渡す?』いや、これらの企業は今必死でグローバル化を図っており、一朝事あらば即座にシンガポールあたりに本社を脱出させるでしょう。その頃には生産ラインも東南アジアやインドに避難させ、グローバル企業として生き残りを図るのでは?もしそうなったら逃げ遅れた人を日本に呼び込むチャンスですね。(2012/06/06)

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「“体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

『まして、サムスン、ヒュンダイ、ポスコを熟柿が落ちるがごとく、中国に譲り渡す?』いや、これらの企業は今必死でグローバル化を図っており、一朝事あらば即座にシンガポールあたりに本社を脱出させるでしょう。その頃には生産ラインも東南アジアやインドに避難させ、グローバル企業として生き残りを図るのでは?もしそうなったら逃げ遅れた人を日本に呼び込むチャンスですね。(2012/06/06)

リアリズムに偏った記事ではあるが、明清交代期に起きた清の対朝鮮侵攻に注目したのは実に面白い。しかし、清がその後受け入れた文化とは明よりも前にずっと続いて来た中華文化であり、その後も中華文化に基づいた外交を行った。中国を国として見るのではなく、中華文化圏として見たら違った側面が見えて来るのではないか。産業革命を経て西欧がアジアに来る前、アジアの中心は中国であり、隣国は挙って中華文化を受け入れ、それに従った。日本もその影響は弱かったが例外ではない。その後、中国は物質的パワーの必要性を実感し、その増強を図った。物質的パワーを獲得した今、中国が採る外交とは一体どういったものになるのか。西欧列強が曾て行った帝国主義なのか、それとも儒教思想に則ったアコモデーショニズムなのか、これを考える事もまた面白いのではないか。間違った愛国主義に偏った記事が多い中、自分の身分に捕われない学者的見解をこれからも望みます。面白い記事でした。(2012/06/06)

こうした客観的且つ俯瞰的な視点での朝鮮半島分析は、官民問わず様々にあると思うが、今の政府の外交戦略に生かされているのか・・・大いに疑問である。そもそも外国人参政権への姿勢や外国人(特に在日韓国人/朝鮮人)からの違法献金が闊歩し、国家観すら疑うような怪しげな政治家や外交の基本すら理解できていない稚拙な政治家の多い政府与党の朝鮮半島政策には不安しか持てないが、政権とは距離を置いた組織でこのような分析が継続的に行われ、いずれ外交戦略に反映される日が来ることを願わずにはいられない。(2012/06/05)

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