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米国とのFTAでアダルト産業が野放しに?

レッスン4 サービス貿易

2012年6月6日(水)

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 本シリーズでは、韓国と米国の間で結ばれたFTA(Free Trade Agreement 自由貿易協定)の、ISD(Investor State Dispute Settlement 国家と投資家の間の紛争解決手続き)、農業、公共政策に関係する条項が「韓国にとって不平等である」という主張と、それらが誤解であることを示してきました。レッスン4以降はこれまで取り上げて来なかった分野、1:サービス貿易、2:金融サービス、3:著作権、4:医薬品について見ていきたいと思います(本来はレッスン4が最終回の予定でしたが、レッスン7まで延長します)。

 今回のレッスン4はサービス貿易を取り上げましょう(※1)。

 さて、サービス貿易のFTA締結で韓国が被るデメリットについては、(1)ネガティブリスト方式、(2)サービス非設立権認定、(3)郵政事業の開放の3つが挙げられています。ネガティブリスト方式と非設立権については、それぞれ毒素条項(この場合は、韓米FTAに盛り込まれた「韓国の経済・社会にダメージを与える」と主張されている条項。レッスン2参照)に入っていました。また郵政事業の開放は毒素条項には含まれていませんが、主に日本で問題視されています。

ネガティブリストにアダルト産業の記載がない!

 以下順を追って、(1)~(3)が韓国にとって不平等であり、経済・社会に悪影響を与えるのか、あるいは単なる誤解なのかを考察していきます。日本でも問題視されている郵政事業の開放については、特に詳しく取り上げます。

 まず、ネガティブリスト方式です。サービス貿易には、FTAによって義務が課される範囲を決める方法が2つあります。一つはポジティブリスト方式であり、協定の義務が課されるサービスをリスト上に列挙していくものです。そしてもう一つがネガティブリスト方式です。

 この方式はその名の通りポジティブリスト方式の逆で、原則として全てのサービスに協定の義務が課され、リストに列挙されたサービスは対象外となります。韓米FTAでは後者、すなわちネガティブリスト方式が採用されています。

 この方式を問題視する人は、「賭博、アダルト産業、マルチ販売業などアメリカのサービス産業を、国内に無条件に受け入れなければならないのではないか」と懸念しています。

 韓米FTAに定められたサービス貿易にかかる主要な義務は、1:内国民待遇、2:最恵国待遇、3:市場アクセス制限措置の導入禁止、4:現地駐在義務の賦課禁止の4つです。そこでそれぞれの具体的な内容を、韓国に課される義務といった観点から解説します。

※1)サービス貿易に関する記述は、「わかりやすく書いた、いわゆる韓米FTA毒素条項主張に対する反論」(2011年1月)、その他の外交通商部ホームページ資料を参考に記述した。

コメント4

「TPPを議論するための正しい韓米FTA講座」のバックナンバー

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「米国とのFTAでアダルト産業が野放しに?」の著者

高安 雄一

高安 雄一(たかやす・ゆういち)

大東文化大学経済学部教授

1990年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、調査局、外務省、国民生活局、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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