5月24日、東京電力の高津浩行常務は日経エコロジーの取材に応じ、家庭などの電力値上げについて説明した。家庭用など規制部門の電気料金で利益の9割を占める構図、原子力発電所の再稼働について、除染や賠償、廃炉の費用、燃料費は安くできないのか、4月に先行した自由化部門値上げの反省、そして自身の“天下り”批判について語った。
(聞き手は日経エコロジー編集部 外薗祐理子)
家庭への送電にはコストが多くかかっている

東京電力常務お客さま本部長
1952年神奈川県生まれ。77年東京大学大学院修了後、東京電力入社。建設部、技術部、総合研修センター、関連事業部などを経て、2006年執行役員、2010年常務。2011年6月から現職
家庭などの規制部門を10.28%、工場などの自由化部門(編集部注:特別高圧および高圧で受電する顧客)で16.39%値上げするという根拠を教えてください。
高津:2012年からの3年間で売る平均の発生電力量を想定しました。今年3月に経済産業省が取りまとめた「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議」で「3年を原則とすることが適当」とされたものに基づきました。すると、現行料金では5兆468億円の収入が見込めます。
一方、どういう費用がかかるか細かく積み上げます。もちろん、それだけではお叱りを受けるので、必死に合理化に取り組んでいます。合理化の4割は人件費です。それ以外にも、いろいろと話題になった普及開発費(宣伝費)についても、オール電化の宣伝費などですが、そうしたものも大幅にカットしました。
大きいものから小さいものまで削れるものはすべて削っています。それでも、5兆7231億円コストがかかってしまいます。この差分をなんとか、電気料金の値上げということでお願いできないかと思っています。
これらを規制部門と自由化部門に分割します。それぞれ下の図のような計算になりまして、規制部門が1キロワット時当たり2.4円、自由化部門が同2.46円となります。
高津:私どもはこうした中身をすべてオープンにしています。過去もそうですが、オープンにせざるを得ない仕組みなのです。この費用や配分が適正かどうか、審査されています。
自由化部門というのは本来的には「自由」なのですが、やはりこのご時世ですとオープン性をかなり求められます。規制部門の値上げ分を明らかにすることで、構造が分かりますよね。「じゃあ、自由化部門も規制部門に準じた形で説明責任を果たしてほしい」というのが法人のお客様のご要望です。
4月1日から自由化部門では先行して順次、電気料金の値上げをお願いしています。数字は精緻にチェックしていますが、それでも「本当にそれで大丈夫か。下がるのなら4月1日に遡及して下げてほしい」というご要望がありました。こちらについては経産大臣からのいろいろなご指導もありますけれども、今後きちんと取り組んでいかなくてはいけないと思っています。

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