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池袋北口に広がる“本当の中国”

新華僑がニューチャイナタウンを展開

  • 藤巻 秀樹

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2012年6月13日(水)

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 横浜中華街や神戸南京町は華やかな非日常のチャイナタウンだ。飾り気のない「日常の中国」に出会いたければ、池袋北口に行けばいい。ここには1980年代以降に来日した新華僑の経営する店が約200店舗もある。西口なども加えた池袋駅周辺全体ではその数は300とも400とも言われる。中華料理店だけでなく、食材・雑貨店、旅行代理店、不動産仲介店、美容院、保育園、自動車学校、インターネットカフェなど様々な種類の店や施設がある。池袋の中華街は中国人の日常生活を支える街である。

 駅の地下街から階段を上り、北口に出ると、中国語のフリーペーパーを配るおばさんがいた。横には携帯電話を耳に当て大声で中国語をしゃべるビジネスマン風の男。目の前には池袋の中国人に食材を提供する食品店のビルが立つ。「陽光城」と書かれた赤い看板が日射しを浴びて輝いていた。

池袋北口に立つ中国食材店「陽光城」

 ここには中華街の入り口を示す楼門もなければ、関帝廟もない。それどころか、ずらりと中華料理店が並ぶような通りもなく、パラパラと店が点在する感じだ。ただ、一たびビルの中に入ると、印象が一変する。池袋北口には中国人経営者が店舗やオフィスを構える雑居ビルが数多くあり、内部は中国一色なのだ。

 駅前には中国の書店と食品スーパーが入るビルがあり、中では中国語しか聞こえない。北口にそびえるホテルのすぐ近くの12階建てビルには新華僑の経営とみられる中国系の店舗、オフィスがずらりと入居していた。貿易、旅行、国際通信、翻訳・通訳、物販、IT(情報技術)、新聞、出版など業種は様々。一見目に付きにくいところで、池袋のチャイナタウン化が確実に進んでいるのである。

 中華料理店の味は、横浜中華街とは違い、日本人の好みに合わせた味ではない。中国人に聞くと、現在の中国の料理をそのまま再現した本場の味だという。地域的には東北地方(旧満州)の料理が多い。最近、日本に来るのは同地方の出身者が多いからだ。蚕の唐揚げや犬肉料理を出す店もある。

新華僑が日本に来るのはなぜか?

 池袋を中心に豊島区に住む中国人の数は約1万2000人。昼間、仕事で池袋を訪れる人の数も入れると、約3万人。その大半が留学生として来日、日本に住み着いたニューカマーだ。彼らは戦前から日本にいた中国人(老華僑)と区別するため、新華僑と呼ばれる。

 池袋駅西口で出版業を営む日本僑報社の段躍中編集長(54歳)もそうした新華僑の一人。同社は日中関係の書籍を扱っている。「1980年代に改革・開放政策が進展して、海外への私費渡航が事実上解禁された。このため、外国に行く人が増えた」と話す。段さんは1991年に来日、日本の大学院で勉強しながら出版業を始め、池袋に引っ越してきた。

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