• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「円も人民元圏に吸いこまれる」

特別編:円と元の直接取引の影響について、真田幸光・愛知淑徳大学教授に聞く

2012年6月12日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

円と人民元の直接取引開始、日中韓の国債の持ち合いなどアジアの金融の構造が急速に変わる。この問題に詳しい真田幸光・愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授(学部長)に鈴置高史さんが聞いた。

米国はうれしくない「円と人民元の直接取引」

日本と中国が、円と人民元を直接交換する為替取引を開始した。

真田:米国はうれしくないだろう。円と人民元は米ドルを介在せず取引されるようになる。米国は、これまでのように日本と中国の間でどんな商品をいくらで交易しているか“のぞけ”なくなる。極端な例だが、日中が防衛技術を売り買いするようになっても、もう決済面からは米国には分からないのだ。米国が基軸通貨を持つ強みはそこにある。

真田幸光(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授(学部長) 1957年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒。81年、東京銀行入行。韓国・延世大学留学を経てソウル、香港に勤務。97年にドレスナー銀行、98年に愛知淑徳大学に移った。97年のアジア通貨危機当時はソウルと東京で活躍。2008年の韓国の通貨危機の際には、97年危機の経験と欧米金融界に豊富な人脈を生かし「米国のスワップだけでウォン売りは止まらない」といち早く見切った。

 特に今は米ドルの基軸通貨としての地位が揺るぎ始めた時だ。それを加速しかねない。驚いた欧州の金融関係者から「日本は米国に根回ししてあったのか」「米国は怒ってこないか」などと問い合わせが相次いでいる。

米国に根回ししてあったと思うか。

真田:それは分からない。ただ、これを期に人民元の基軸通貨への歩みは加速するだろう。中国は、香港ドルなどとの直接取引は開始していたが、日本円まで人民元にぶら下げる形にしたのは大きい。

 もし、米国の了解なしだったとすると、米国は日本に対し報復に出るかもしれない。為替レートも含め、日本からの輸入を減らす方向に動くはずだ。少し前までなら米国の消費者は日本製品を買って豊かな暮らしを実現していたから“輸入制限”すれば返り血を浴びた。だが、今や中国や韓国に生産拠点が育った。ここから買えば別段困らない。

日米離反に中国は大喜び?

中国はどう出るか。

真田:米国の日本への報復はありがたい。経済的に中国がメリットを得るのはもちろん、政治的にも日米間に亀裂が走るからだ。日米離間を機に「アジア経済圏を作ろう」と日本に持ちかけるだろう。すでに日本は日中韓FTAの結成に動き始めている。それを金融面から加速できる。中国にとって実にいい話だ。

 少し前に発表された日中韓の国債の持ち合いも、極めて唐突な動きだった。今回の円と人民元の直接交換の布石だったのだろう。これらを見て「日本はろくな反対給付も得ずに中国に人民元の国際化をプレゼントしたのではないか」と世界の金融専門家が首をかしげている。

コメント3

「早読み 深読み 朝鮮半島」のバックナンバー

一覧

「「円も人民元圏に吸いこまれる」」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員