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ねじれ国会だから決まらない、のウソ

第3回 二院制を理論とデータから考える

2012年6月20日(水)

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 本連載の第1回第2回では、有権者の態度や行動の「ヤバさ」を指摘したが、今回と次回では、制度に関する「ヤバい」問題、さらには、制度の問題を巡る「ヤバい」議論について指摘したい。今回のテーマは、いわゆる「ねじれ国会」についてである。

 ねじれ国会とは、衆議院で過半数の議席を占めて内閣に大臣を送る与党(あるいは連立与党)が、参議院では半分の議席を確保できない国会を指す。現在のねじれ国会は、与党の民主党が2010年の参院選で敗北して以来続いている。ねじれ国会は、政治家、公務員、有識者、マスコミ、世論など国民各層ですこぶる評判が悪い。与党が衆議院で通した法案を、野党が参議院で通さないから、「決められない政治」になってしまっている、といった理由からである。

 ところが筆者は、ねじれ国会を必ずしも「ヤバい」とは考えていない。むしろ、ねじれ国会を「ヤバい」と決めつけていることの方が「ヤバい」のではないかと考えている。

ねじれ国会って、それほど異常なの?

 そもそも、ねじれ国会はそれほど異常なのだろうか。日本国憲法が施行されてから65年経つが、そのうちねじれ国会であった期間は18年間、約28%を占める。ねじれ国会の方が普通だとまでは言えないが、例外的状況とは言えないほど期間が長い。

 今では忘れ去られていることだが、実は1947年に参議院が設置されてから、55年に結党した自民党が参議院で過半数を握る56年までの9年間は、与党の参議院における議席率はおおむね2割台から3割台に過ぎなかった。

 また諸外国でも似たような事例はたくさんある。例えば米国では、大統領を出した政党が連邦議会の多数派でない状況を「分割政府」と呼ぶが、第二次大戦後は分割政府である期間の方が長い。州政府でも、知事の政党と州議会で過半数を占める政党が異なることは頻繁に起きている。欧州諸国でも、左派の内閣と、右派が多数の上院が対峙する構図はよく見られる。

 このようにねじれ国会は、歴史を遡っても、国際的に比較しても、決して珍しいものではない。それにもかかわらずねじれ国会を異常視する人は、自民党が衆参両院で過半数の議席を長く占めていた頃の発想から脱却できていないのではないだろうか。

 マスコミなどで報じられるねじれ国会に対する最大の批判は、衆議院が可決した法案を参議院が可決しないため法律が成立しない、という点にある。しかし批判する前に理解しておかなければならない重要な点がいくつかある。

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「ねじれ国会だから決まらない、のウソ」の著者

堀内 勇作

堀内 勇作(ほりうち ゆうさく)

米ダートマス大学三井冠准教授

シンガポール国立大学助教授、オーストラリア国立大学准教授を経て現職。2001年米マサチューセッツ工科大学(MIT)政治学博士(Ph.D.)。専門は比較政治学、計量政治学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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