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エネルギー政策のスピードをドイツから学べ

3.11から4カ月で中長期戦略を法制化

2012年6月14日(木)

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時間がかかりすぎる日本の政策決定

 311大震災から1年3カ月が経過する。脱原子力依存、供給力不足の解消を背景に、エネルギー政策の白紙からの見直しが、(延々と)議論されている。ようやく出た選択肢が、原子力0%、15%、20~25%までの3通りである。35%もあったが、脱原子力とならないという理由で却下された。この選択肢なら、1年前でも提示できたという声も上がる(資料1)。

資料1.2030年の電源構成のイメージ
(出所)資源エネルギー庁 総合エネルギー調査会 基本問題委員会

 1年前の今頃は、供給力不足の短期、脱原子力依存を睨んだ長期、その間をつなぐ中期と分けて議論する必要がある、ということであった。計画を白紙から見直し、そのためにシステムも変革していかなければならないとして、新時代を迎える一種の高揚感があった。筆者は、昨年の6月に「エネルギー復興計画」を上梓し、拙速ながらもその考えるところを提言した。

ベストミックスから遠い議論

 しかし、1年以上経過するうちに、こうした段階的に検討する機運は薄れて、「当面の供給力不足をどうするか」と、それから一足飛びに「2030年のポートフォリオ(ミックス)をどうするか」の2論に分かれた議論となっている。もっとも、長期ミックスの議論がまだまだ流動的で、中期をどうつなぐかの議論ができないという面もあったろう。いずれにしても、集約できていない。

 ミックスに関しては、識者と称される方でも、自らの領域は目一杯主張するが、全体を眺めてベストミックスを主張する方は少ない。原子力の選択肢が0から(当初案では)35%まで乖離があった。これは、真剣に構成の議論をしてきたのかと言われても仕方があるまい。原子力は、基本計画のベースであり、使用済み燃料を含めた安全・安心の考え方を提示して、スケジュールの理解を得なければならない。リアルコストがどの程度なのかも明示する必要がある。

 自然エネルギーは、大きな役割を果たさざるを得ないが、一定期間での大量設置には限界があり、超長期の視点が必要となる。シェールガス革命をよりどころに、天然ガスを最大限利用すればいいとの主張もあるが、その前に化石燃料を使う火力発電全体の割合をどう考えるか、という基本線があろう。

 安価で豊富にあり技術もある石炭の利用は簡単に減らせるものとは思えないし、クリーンコール技術への期待も強い。炭素価格が下がっている現実をどう解釈するか。天然ガスが増加するためには国内インフラ整備や分散型システム在り方の整理が不可欠である。中国がLNG市場に参入するケースも想定する必要がある。目標値に至る過程のなかで依存が強まることは理解できるが、あくまでも本命普及までの代替手段であり、最終的な姿ではないのではないか。

 そうした道筋を具体的に示すべきである。少なくとも大規模発電所については一つひとつ、建設・廃止などの予想を積み上げることになる。

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「エネルギー政策のスピードをドイツから学べ」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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