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第3回 太陽嵐で大規模停電が起きるわけ

情報通信研究機構・宇宙環境インフォマティクス研究室【3】

2012年6月27日(水)

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 長妻さんは、現在、「宇宙天気予報」を行う研究室の研究マネージャーであるわけだが、もともとは、大学で人工衛星を使ったオーロラの研究をしていたという。オーロラといえば、極域で見られる夜空の一大ページェントであり、地球上でもっとも幻想的な現象の一つだろう。

 しかし、長妻さんは、オーロラの研究の中で、太陽活動と宇宙環境の関係に関心を移していく。

「実はオーロラ現象のもとになっているのがやっぱり太陽活動なわけです。しかもその太陽活動によって電離層や磁気圏が乱れたりとか、実際に衛星が壊れたりするということがわかってきまして、その方面の研究に進みたいと思ったわけです」

 というわけで、オーロラ研究から発した長妻さんの研究領域は、今は地球の磁場に捉えられた高エネルギーの電子や陽子からなる帯状の構造、放射線帯(ヴァン・アレン帯)に移っているという。「宇宙天気予報」の中で、地上に直接影響を与える「磁気嵐」にも関係してくる分野だ。「磁気嵐」の後に放射線帯の電子が増加することがあり、それによって、前に見たプロトン現象とは別に、衛星の故障や誤動作が引き起こされることもあるらしい。

(写真:藤谷清美)

 前提として、高校の理科をちょっと復習。

 地球は(実は太陽も)大きな磁石であり、周囲には磁気圏と呼ばれる磁場の広がりがある。太陽風、つまり太陽から吹き付けてくるプラズマは帯電しているので、この磁気圏が楯になって大部分が地球から逸らされたり、捕捉されたりする。高エネルギーのプラズマが補足されている領域が放射線帯だ。特に強い太陽風が吹き付けてくると、地球の磁気圏そのものがじょう乱を受ける。大きなじょう乱は磁気嵐と呼ばれる。極地方ではオーロラが活発になり、非常に幻想的な光景が繰り広げられる。

 と、ここくらいまでは高校で地学を履修した人は知っているのではないか、という話。

ドーナツ状に地球を囲んでいる部分がヴァン・アレン帯(イメージ)(左)。そして、ヴァン・アレン帯は「内帯」と「外帯」の2重構造になっている。(右)(画像提供:NICT)
2012年6月号特集「太陽嵐の衝撃」

本誌では宇宙天気予報の対象である太陽嵐の最前線をレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。

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「第3回 太陽嵐で大規模停電が起きるわけ」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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