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沸騰する中東のソーラービジネス

熱いラブコールに対し、ここでも腰が重い日本勢

  • 畑中 美樹

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2012年6月29日(金)

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きっかけは電力需要の急増

 サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ、クウェートといった湾岸協力会議(GCC)諸国の太陽エネルギー事業が改めて注目を集めている。特に「ソーラー・インパルス」と呼ばれる太陽光発電(ソーラー)航空機の成功が、GCC諸国における太陽エネルギー事業をさらに後押しする役割を果たしたようだ。2012年6月11日、機体に1万2000枚の太陽光パネルを張り付けた「ソーラー・インパルス」は、スペインから対岸のモロッコまでジブラルタル海峡を越え約19時間かけながらも無事飛行を終えている。

 総じて石油資源に恵まれたGCC諸国だが、急増する人口と急成長する経済により電力需要も急拡大しており、今後もその勢いは続くと予想されている。因みに、中東経済専門誌の推計では、GCC諸国の2009年の発電能力約8万8000MW(メガワット)に対して、10年後の2019年の電力需要はその2.1倍強にあたる約18万6000MWに達する見込みである。

 石油資源については外貨獲得のため可能な限り輸出用に振り向けたいGCC諸国が、太陽エネルギーをはじめとする再生可能エネルギーの重要性を認識するようになった背景にはそうした理由があったからである。

 GCC諸国の中で最も早く再生可能エネルギーの重要性に着目し、体系的な開発に乗り出したのがアブダビである。また遅ればせながら、ここ約2年で太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーの開発に力を入れはじめたのがサウジアラビアである。現時点では、GCC諸国においてはこの2カ国の再生可能エネルギーへの取り組みが突出している。

2020年には電力需要の7%を再生可能エネルギーとするアブダビ

 石油資源に恵まれたアブダビだが、将来を見据えクリーン・エネルギー技術、特に太陽光の開発に力を注いでいる。アブダビ政府は2006年からマスダル・イニシアチブ(the Masdar Initiative)と呼ばれる新規事業(以下、単にマスダルと略す)を開始し、主要先進国の省庁・企業・大学等に再生可能エネルギー技術の開発・商業化に協力を求めてきた。

 アブダビ政府はマスダル・イニシアチブに真剣に取り組んでいることを諸外国に示すべく、2億5000万ドルの「クリーン技術基金」を創設し、最先端のエネルギー産業用の特別経済区の建設を進めている。またアブダビ政府は最終的には自国をクリーン・エネルギーのバンガロール(インド)とすることを目指しており、調査・開発面を強化するだけではなく、開発した技術を販売して行くことも視野に入れている。

 そのマスダルは、2010年6月9日、トタル(フランス)、アベンゴア・ソーラー(スペイン)をパートナーとして、世界最大の太陽熱発電所事業「シャムス1」(100MW)の建設契約を締結し商業用の電力供給の2012年中での開始を目指している。またアブダビの政府系ファンドの1つであるムバダラ開発によりマスダルの実施主体として創設された「アブダビ未来エネルギー社」は、マスダル事業の推進に向け「マスダル市」の建設や世界の再生可能エネルギーへの投資といった構想を相次いで打ち出すと共に実行に移している。

 マスダル市では、太陽熱を熱源とする冷房システムの導入も検討されている。

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