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若者がファッション専門学校に来ない

教育とビジネス現場の深刻なミスマッチ

2012年6月26日(火)

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 先日、あるファッション専門学校の理事長にお会いした。いつもは快活な方なのだが、のっけから「今、全国でファッション専門学校に通う生徒が何人いるか知っていますか」と尋ねられた。

 先ごろ、好評のうちに最終回を迎えたNHKの連続テレビドラマ「カーネーション」にも登場した東京の文化服装学院の生徒が数千人といることから考えても、全国では数万人くらいはいるのではないかと思ったのだが、答えは「ノー」だった。

ファッション専門学校の生徒数は半減

 「今、全国の生徒数は1万2000人ほどです」。予想外に少ない。しかし、理事長から続けて出てきた言葉はもっと衝撃的だった。「10数年前の全国の合計生徒数は2万3000人でした。今は半減してしまっています」。

 各専門学校単位で見れば、毎年の入学者数が数十人を下回る学校は決して珍しくない。反対に毎年必ず100人以上の入学者数がある学校は全国でも数えるほどしかない。

 ファッション専門学校の生徒数が減っている原因の1つは明らかに少子化である。文部科学省「学校基本調査」や国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、2008年に18歳人口が初めて130万人を下回って以降、ずっと120万人すれすれで推移している。1990年ごろには200万人いたから、実に80万人以上減っていることになる。この少子化の影響でファッション専門学校のみならず、偏差値の低い四年制大学も生徒数が集まらず閉校の危機が訪れているのは周知の事実である。

 しかし件の理事長は「少子化以上にファッション専門学校への進学志望者が減少している」と危機感を募らせる。

 現在、東京、大阪、名古屋に校舎を構えているバンタンデザイン研究所。東京本校からはファッション業界で活躍する著名な卒業生を何人も輩出してきた。そこで大阪、名古屋、福岡など地方にも校舎を広げた。しかし、今年3月には福岡校を閉鎖、現在は名古屋校の閉鎖を検討しているとのうわさもある。これほどの著名校でも生徒は思うように集まらない。

 筆者は2008年にファッション専門学校で広報の仕事をしていたことがある。その時の状況では、高校生の進学志望調査をすると専門学校の中では「看護」、「美容」が人気の双璧だった。聞くところによると、その少し前には「介護」も人気だったが、グッドウィルの不正事件のあと、急速に人気が低下したという。2008年当時に「介護」の専門学校へ進学志望する高校生は少数派となっていた。

 代わって、慢性的な人手不足で就職しやすい看護の人気が高まってきた。昔からヘアカットの美容専門学校は人気があり、今でもそれなりの入学者数ではあるものの、ピーク時よりは減少している。そういう意味では、今は専門学校の中では看護が一人勝ちといえるのではないだろうか。

 ここに「ファッション」はまず出てこない。入学者数の減少は少子化以上にファッション分野に進みたいという若者が減っているからだろう。

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「若者がファッション専門学校に来ない」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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