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第1回 マーケティングは死んだのか

2012年6月25日(月)

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 いきなりだが今、経営者視点に立って「自社にとって一番足りないものは」と問われたら何とお答えになるだろうか。独自の開発技術か、営業販売力か、はたまた優れたマネジメント人材か。

 少し前になるが、質問に答える記事を3月19日の朝日新聞が掲載した。見出しは「自社に足りないのはマーケティング」。発言の主はシャープの奥田隆司新社長だ。

 奥田氏の4月1日付社長就任発表を受けたこの記事によると「奥田氏は自社の弱点について『海外を経験して思うのはマーケティングの弱さ』と分析。『(高い技術力があるのに)市場をよく分かっていないから、よい商品をタイムリーに出せない』と話した」。見出しになるくらいだから、この発言はありきたりではない、と判断されたのだろう。

 「足りないのはマーケティング」

 一度目にしてみると「確かにそうかもしれない」と膝を打った方もいるのではないか。そういう切れ味がこの見出しにはある。

マーケティングのコペルニクス的転換

 なぜ今「マーケティング」なのか。技術はある、ものづくりで負けているわけでは決してない。

 だが結果が必ずしも伴わない。昨今の日本企業に対して巷でささやかれるようになった話題だ。

 マーケティングは、ずっと前からある言葉だ。今どきの真っ当な会社で「うちにはマーケティングがありません」なんていうところはあまりないだろう。ではなぜ今、マーケティングなのか。マーケティングは一体、いつの間に足りなくなっていたのだろうか。

 コペルニクス的転換、という言葉がある。太陽や星が回っているというのはこう見えるだけであって、実は動かないと信じて疑わなかった自分たちの足元の大地、地球のほうが動いているのだという、天動説から地動説へのような大転換を言う。この言葉を天文学の専門領域から世界の森羅万象を語るためのコンセプトとして取り出してみせたのは哲学者のカントだが、さらに世俗に下りてきてもらおう。

 筆者が提唱したいのは「マーケティング天動説/地動説」だ。かつて企業は自分たちがつくるものの価値を自分自身で規定し、生活者に押しつけていた。

 いわば天の上から価値あるものを下々の民に施してやる、という態度だ(図A)。「いやうちはそんなことはない」とおっしゃる企業の方もいるかもしれない。うちは「お客様第一だ」と。

 だが本当に「お客様第一」というなら、価値はお客様が決める、と考えなければならない。いや、企業が好むと好まざるとにかかわらず、事態は既に進行している(図B)。

マーケティングは天動説から地動説へ

 企業が商品そのものやコミュニケーション上で提示する価値についてのメッセージを素直に受け取ってくれる生活者はもはやいない。むしろ、自らの文脈で改変し、互いに提示しあい、再編成さえしてしまうのが実態だ。

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「第1回 マーケティングは死んだのか」の著者

安藤 元博

安藤 元博(あんどう・もとひろ)

博報堂

1988年博報堂入社。主にマーケティングセクションに在籍し、企業の事業/商品開発、キャンペーン開発、グローバルブランディングに従事。2010年より、「統合マーケティング」のハブとなる組織を率いる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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