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米国でスバルだけが好調続きのワケ

脱「インセンティブ依存症」がカギに

2012年6月25日(月)

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 成長する海外市場をどう開拓するか。それぞれの企業はもちろん、日本経済の将来をも左右する大きなポイントになる。新興国の経済発展で競争のフィールドは大きく変わり、戦い方も一様ではなくなった。その最前線では何が起きているのか。

 「日経ビジネス」は6月25日号で「『ニッポン』を売り込め」と題した特集をまとめ、未踏の地に果実を求める先駆者たちを追った。この企画と連動し、「日経ビジネスオンライン」では今日から5回にわたり、海外営業の猛者たちを紹介する。

 では、米国で「スバル」ブランド車の販売台数記録を更新し続けている富士重工業の庄司仁也・米国スバルVPのケースから始めよう。

=文中敬称略

 リーマンショック、東日本大震災と難局が続き、主力の米国販売で苦しんだ日本の自動車産業。だが、例外だったメーカーがある。「スバル」ブランド車を販売する富士重工業だ。

米国販売は3年連続で過去最高を記録

 暦年ベースでは、リーマンショックが発生した2008年から2011年まで4年連続で販売実績を伸ばし、直近の3年は過去最高を更新してきた。2012年も前年比19.9%増の32万台と、大幅な上乗せを計画している。達成すれば同社として初の30万台乗せとなる。

 その大台に挑んでいるのが、米国スバルで販売・マーケティングを担当する庄司仁也(48歳)だ。

 スバルが好調な背景には、「レガシィ」「インプレッサ」といった新型車が当たったという事情はある。ただ、他社が失速する中でスバル車だけが伸び続けたのにはもう1つ要因があった。

米国スバルの庄司仁也氏

1963年生まれ、48歳。88年富士重工業入社。学生時代はチューンナップしたクルマで峠を攻めていた走り屋だった。「好きなことでなければ長続きしない」と考え、当時、F1参戦を表明していた富士重工業に入社したという。(写真:常盤武彦)

 インセンティブ(販売奨励金)頼みだった米国販売の体質を変える荒療治を施したのである。その仕掛け人が庄司だった。

 大きな方針転換を図ったのは、「2007イヤーモデル」と呼ばれる2006年発売の車種を投入した時から。今回を含め、庄司は2度の米国駐在を経験しているが、最初に赴任していた2003~2006年の間に、社内の各方面を説得して今の土台を作った。

 最初の赴任当時の米国販売は年間16万~17万台で行ったり来たり。明らかに伸び悩んでいた。値引きなしに販売台数は稼げず、稼働率を上げたい工場からの「あと500台作らせてくれ」といった注文にも応じていた。状況が改善する兆しはなかった。

 なぜ売れないのか。悪循環を断ち切るために原因を探った。品質や装備などスバル車の価値を競合車と徹底して比較し、販売店への聞き取り調査も実施した。約1年間かけて得られた結論は、「我々が価格設定を間違えた」ということ。

 2000年代に入ってスバルはプレミアム路線に走り、価格を高めに設定した。これが顧客のイメージと価格とのギャップを生んだというのが庄司の出した答えだった。

 「あと1000ドル高く売りたいがために、1000ドル高く価格を設定して2000ドルのインセンティブをつけていた状態だった」

 販売を正常化するには値下げするしかない。1000ドル下げてインセンティブが必要なくなればいい。クルマの価値を変えずに値下げすれば、米国で一般的なリース販売でも顧客に有利な条件が設定できる。販売店にとっても歓迎すべき話だった。庄司の案ならば販売店のマージンは変わらないので、より売りやすくなるうえ、仕入れにかかる資金負担も軽減されるからだ。

 だが、本社を説得するのは予想通り難航した。

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「米国でスバルだけが好調続きのワケ」の著者

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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