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郵便局保険も乗っ取られる? 日本で高まるFTA危機論

レッスン5 金融サービス その1

2012年6月28日(木)

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 レッスン5では金融サービスを扱います。金融サービスはそれ自体サービスの一分野であるのみならず、すべての経済活動のインフラの役割をも果たす重要なサービスです。よってGATS(サービス貿易の一般協定)でも、金融サービスに関する付属書が合意され、協定の適用範囲の明確化、金融サービス分野における例外規定などを別途定めています(※1)。そして韓米FTAでも、一般的なサービスとは別に、金融サービスに関する章を独立して設けています(第13章)。

 金融サービスについては、韓米FTAによって金融及び資本市場が完全に開放されることが懸念されています。そして韓国の金融市場が現在以上に国際投機資本の遊び場になるとして、金融サービスに関する条項についても毒素条項であると主張されています。また、「協同組合が提供する保険サービスは、民間業者より有利な競争条件を与えてはいけなくなる」、「郵政事業本部は、民間と同じ競争環境に置くことが義務付けられるため、新しい商品が販売できなくなる」として、韓米FTAの金融サービスの条項が問題であるとする主張もあり、こちらは韓国よりも日本で盛り上がっています。

郵政問題にからんで日本でも反発が

 そこで今回は、まず韓国より日本で盛り上がっている、(1)「郵政事業本部は、民間と同じ競争環境に置くことが義務付けられるため、新しい商品が販売できなくなる」、(2)「協同組合が提供する保険サービスは、民間業者より有利な競争条件を与えてはいけなくなる」といった主張について取り上げ、その後、(3)「金融及び資本市場が完全に開放されてしまう」について、その真偽、また韓国経済・社会に与える影響について検討していきます。レッスン5の金融サービスは内容が盛りだくさんですので、2回に分け、その1で(1)、(2)、すなわち、郵便局保険と共済について取り上げ、その2で(3)、すなわち、金融市場開放について取り上げます。

 まず検討に先立ち、韓米FTAで金融サービスがどのように扱われているのか確認します(※2)。金融サービスについても、一般的なサービスと同様、原則的に、a:内国民待遇、b:最恵国待遇、c:市場アクセス制限措置の導入禁止、が義務づけられています。つまり別途、留保措置や具体的な約束がない限り、アメリカの金融サービス供給者は、韓国の金融市場に自由にアクセスすることが許され、外国のサービス供給者を差別できません。ただし金融委員会(日本の金融庁に相当)は、韓国もアメリカも既に開放度が高いため、追加的に開放する範囲はきわめて限定的であり、保険仲介業の国境間取引、情報処理海外委託などに限られているとの見解を示しています。

※1 外務省経済局サービス貿易室(1997)113ページ。
※2 韓米FTAで金融サービスがどのように扱われているのかについては、金融委員会「韓米FTA金融サービス分野説明資料」(2011年11月23日)により記述した。

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「郵便局保険も乗っ取られる? 日本で高まるFTA危機論」の著者

高安 雄一

高安 雄一(たかやす・ゆういち)

大東文化大学経済学部教授

1990年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、調査局、外務省、国民生活局、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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