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日本のバイオマス政策はなぜ迷走したのか

事業のほとんどが採算合わず

  • 泊 みゆき

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2012年7月2日(月)

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 2011年2月に総務省のバイオマス政策評価で、「1374億円以上かけて国が行ってきたバイオマス政策によるバイオマス関連事業214事業中、効果が発現しているものは35事業で、これらにも施設の稼働が低調なものが多い」と指摘されたことを第4回で紹介した(バイオマスに関心のある方は、ぜひこの報告書を読むことをお勧めする。日本のバイオマスの状況について、非常に緻密に調査されている)。

 この総務省の評価にも、バイオマスに長年かかわっている人間には、後出しじゃんけんだと感じる指摘や評価の仕方として疑問を感じる内容もある。例えば、事業が計画された時点ではあまり認識されていなかったライフサイクルアセスメント(LCA)を持ち出したり、マテリアル利用を資源有効利用ではなく温暖化対策効果で測ろうとしたりする点だ。

 そうは言っても、特に公的機関や第三セクター、森林組合が行っているバイオマス事業のほとんどで採算がとれていないのも事実である。

 ブラジルのエタノールやその製造過程で出る副産物の利用、あるいはヨーロッパにおける木質バイオマスの成長など、海外では成功例を多く見聞きするのにかかわらず、日本ではなぜこのような事態に陥ったのだろうか。

化石燃料に勝てない

 バイオマスなど再生可能エネルギー利用が進んでいるヨーロッパ諸国とくらべ、日本では化石燃料の枯渇性や気候変動リスク、大気汚染の影響などの社会的負荷を価格に反映させる、すなわち外部経済性を内部化する制度がこれまでほとんど実施されてこなかった。具体的には、炭素税、再生可能エネルギー全量買い取り制度(FIT)、排出権取引制度などだ。

 このため、環境など社会的コストがかかるが見かけ上の価格が低い化石燃料などが、好んで使われ続けてきたのである。それが、化石燃料に対してバイオマスが競争力を持ちにくかった理由の1つとなっている。

 北欧やドイツで木質チップやペレットが使われるのは、市民の環境意識が高いからというより、炭素税などによって、化石燃料より安いからである。

 この点については、今年7月からFITが始まり、炭素税(地球温暖化対策税)も同じく10月から導入されることが決まった。制度の成否は設計が適切かどうかによるが、一歩前進したと言えよう。

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