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マレーを開拓したアジアの「橋渡し」役

ユニ・チャームが紙オムツの売り上げを3倍に伸ばした理由

  • 飯山 辰之介

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2012年7月2日(月)

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 成長する海外市場をどう開拓するか。それぞれの企業はもちろん、日本経済の将来をも左右する大きなポイントになる。新興国の経済発展で競争のフィールドは大きく変わり、戦い方も一様ではなくなった。その最前線では何が起きているのか。

 「日経ビジネス」は6月25日号で「『ニッポン』を売り込め」と題した特集をまとめ、未踏の地に果実を求める先駆者たちを追った。この企画と連動し、「日経ビジネスオンライン」では5回にわたり、海外営業の猛者たちを紹介する。

 4回目は、マレーシアでパンツタイプの紙オムツの売り上げを3倍近くまで伸ばしたユニ・チャームの浮田文彦マーケティングマネジャーを取り上げる。同時に、浮田氏の奮闘を通じて、海外赴任者に求められる役割についても考える。

=文中敬称略

 「こんなにややこしい市場を相手にするとは思いもしなかった」

 紙オムツや生理用品など日用生活品大手、ユニ・チャームのマーケティングマネジャー、浮田文彦(37歳)は2009年3月、マレーシアに初めて足を踏み入れた際、こう困惑した。

浮田文彦氏(うきた・ふみひこ)氏
1974年生まれ。37歳。大学を卒業後、98年4月にユニ・チャーム入社。2003年まで営業部員として小売店などを回る。2003年4月にマーケティン部門に異動。ベビー用紙オムツを担当する。翌年マスクのマーケティングを担当し、「ユニ・チャーム超立体マスク」をヒット商品に結びつけた。2009年にマーケティングマネジャーとしてマレーシアに初赴任し、現在に至る。

 アジア市場で強い存在感を誇るユニ・チャームだが、マレーシアでは苦戦が続いていた。この国は複数の民族集団がそれぞれの生活文化を守って暮らしており、独特の「複合民族社会」を築いている。主流はマレー系で、次いで中華系、インド系と続く。ユニ・チャームは所得が相対的に高い中華系マレーシア人向けの紙オムツ市場では一定のシェアを保っていたが、主流のマレー系にはほとんど認知されておらず、ここ数年は競合メーカーに押されてシェアをじりじりと下げていた。

 そこで同社は2008年10月、起死回生のアジア向け戦略商品「マミーポコパンツ バリュー」をマレーシアに投入する。テープで留めるタイプの紙オムツが主流のアジアでは珍しいパンツタイプの商品で、先行してインドネシアに投入されていた。同社の主力商品「マミーポコ」の機能や装飾を絞り込んで価格を抑え、ヒットを記録。当然、マレーシアでも消費者の支持を集められると期待された。

 だが当初の売り上げは振るわなかった。マレー系の人々に売り込むべきポイントが間違っていたからだ。そこで浮田は赴任して早々、3カ月間で50軒近くの家庭を訪問して、実際にオムツを交換する様子を観察して回るなど、マミーポコパンツバリューをマレー系の消費者に売り込むべく奔走した。

 そこで浮田がどのようにマミーポコパンツバリューを売り込んでいったのかは本誌特集で詳述しているので、ここではアジア市場の多様性とそこに日本人社員が赴任する意義を考えてみたい。

グローバルとローカルに横たわるギャップ

 浮田がマレーシアに初赴任した際の困惑は、海外駐在員なら誰しも抱く感情かもしれない。近年は多くの日本企業がアジアを有望な消費市場と見定めて進出している。だが一言で「アジア市場」と言っても、その内情は千差万別。国ごとに、さらに国の内部にも日本にはない多様性を抱えている。「グローバルで仕事をする」という意気込みで日本を飛び出した赴任者が直面するのは、自身には馴染みのない複雑な「ローカル市場」なのだ。浮田と同様に、そのギャップに苦しむ赴任者も少なくないだろう。

 グローバルとローカルの間に横たわるギャップという課題は企業にもついて回る。世界展開する商品を、どうやって各国市場のニーズに合わせた形で販売していくか。その細かな販売戦術を、対象地域から遠く離れた本社が立案するのは難しい。

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