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コンビニで「粗利」明記の飲料POP

あなたの仕事のミス、たちまちネットで話題に

2012年7月6日(金)

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日経デジタルマーケティングは、『ソーシャルリスク』(同誌記者・小林直樹著)をまとめた。このコラムでは、その関連記事を紹介していく。第3回は、あなたの仕事上のミスがたちまち全国規模で広がるリスクについて。

 自分の仕事上のミスが立ちどころに全国的に知られてしまう。そんな事態は、アナウンサーや有名スポーツ選手など特殊な立場の人を除けばほぼあり得ないはずだった。しかし「はずだった」と記したように、これは過去形になろうとしている。

店舗向け説明資料を店頭に張り出す失態

 今年のゴールデンウイーク、1枚の写真がソーシャルメディア上を駆け回った。それは「トクホのコーラ」として話題を集めた、キリンビバレッジの「キリンメッツコーラ」の商品説明に関する写真だ。あるコンビニエンスストア店頭の飲料棚に掲示されていたものである。

粗利率が書かれた資料を誤って店頭で掲示、ソーシャルネットワーク上に広く拡散してしまった

 その商品説明を、ほぼ再現してみたのが上の図である。「食事の際の脂肪の吸収を抑制」など商品の特長が書かれている資料の左下に目を移すと、コンビニ側の取り分である粗利率。ここでは数字は伏せたが、もちろん実物には粗利率が表記されていた。つまり店舗向けの説明資料を、誤って来店客向けの店頭掲示として張り出してしまったのだ。

 気づいた買い物客がこれを撮影し、「表に出しちゃいけない情報が載ってる気がする」というコメントとともにツイッターに投稿した。すると、それを目にしたユーザーが「いい商売してるねえ」「この値札、○○(実店名)か?」「これは新しいステマ(ステルスマーケティング)ですね」といったコメントを添えながら次々にリツート(RT、転送)していく事態に。さらにブロガーでもある公認会計士が、原価率について解説記事を書くなどして話題が波及していった。

 「POP(店頭販促物)に使える」と思ってしまったコンビニ店員のうっかりミス。だが、もし仮にこのコンビニが特別に優遇された条件で取引していた場合は、競合のコンビニとメーカーとの間であつれきが生じる恐れすらある。デリケートな内容にまつわる失態だ。

 この手の失敗は国内企業に限った話ではない。海外企業もソーシャルメディア草創期からこうしたトラブルに見舞われている。

居眠り映像がユーチューブに

 2006年6月、米ケーブルテレビ最大手コムキャストの技師が、モデム設置のため訪れた顧客宅のソファーで居眠り。あきれた依頼主がこの様子をビデオ映像に収めてユーチューブで公開したところ、クチコミで拡散し再生回数は100万回近くに達した。現在も「A Comcast Technician Sleeping on my Couch」のタイトルでこの映像は残っている。

 当時のコムキャストは顧客サポートの評判が芳しくなく、不満を抱く顧客が多くいたといわれる。ソーシャルメディア普及以前なら、不満があったとしても、顧客から個々にサポート窓口に向かった。同時多発的に大きなうねりとなることはまずなかった。

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「コンビニで「粗利」明記の飲料POP」の著者

小林 直樹

小林 直樹(こばやし・なおき)

日経デジタルマーケティング記者

2007年「日経デジタルマーケティング」の創刊に参画。現在同誌記者。1999年の東芝ビデオクレーマー事件の取材をきっかけに、ネット“炎上”案件の取材、執筆、講演がライフワークになっている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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