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水路のごみや規制との戦いを乗り越えた小水力の先駆者

水土里ネット那須野ヶ原の挑戦

2012年7月12日(木)

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500万キロワットのポテンシャル

 前回は、固定価格買い取り制度(FIT)の対象である3万キロワット未満の中小水力全体を取り上げ、開発のポテンシャルが大きいことを確認した。出力ベースでは、特に規模の大きい事業の割合が大きく、再生エネの中でも質の良い電力である水力発電の量を確保するためには、ここの開発を躊躇すべきではないと提案した。

 しかし、1万キロワット未満の「小水力」、特に1000キロワット未満の「新エネルギー法上の小水力」への期待も高い。これらは、一般にダム建設を伴わない流れ込み式で、自然環境にあまり手を加えない。また、地元で開発する可能性が高くなり、地産地消に適する。開発ポテンシャルが結構大きいことを示す調査結果もある。資源エネルギー庁の包蔵水力調査では、1000キロワット未満は24万キロワットであるが、環境省調査では500万キロワットとなる。前者は主要河川を専門家が調査・推計しているが、環境省は水量と落差から全国の水系についてシミュレーションしている。小水力発電推進者は、環境省の推計に期待している。

 最近の小水力の開発事例や計画は、メディアにも多く紹介されている。筆者は、そうした事例を俯瞰して整理しようと思ったが、情報量不足や筆者の知識不足もあり、有意なストーリーを展開しにくい。まずは先行する地域の実践を紹介することにした。

 その事例として、栃木県の那須野ケ原土地改良区連合(水土里(みどり)ネット那須野ヶ原)を取り上げる。20年以上にわたって灌漑施設を利用した小水力発電を整備してきた。現在5発電所で7機の発電機を稼働させ、今後も意欲的な計画を持っている。その歩みを辿ることで、小水力の可能性と課題に接近する。

 中心になって開発を進めてきた星野恵美子参事にお話を伺い、現地を案内して頂いた。小水力を考えるうえで非常に参考になった。

水不足解消との戦いの中でインフラを整備

 那須野ヶ原は、栃木県の北東部に位置し、那珂(なか)川と箒(ほうき)川に挟まれた約4万ヘクタールの複合扇状地である。扇央部から扇頂部まで30キロメートル、標高差480メートル(120~600メートル)の急峻な地形である。歴史的に水不足で苦しんできた土地柄で、3大疏水の一つの那須疏水が1885年(明治18年)に完成、戦後も29年(1967~95年)の長期を要して国営総合農地開発事業が遂行され、現在の那須野ヶ原用水が完成する。生活用水、農業用水確保を目的に深山(みやま)ダムが建設され、農業用水路は330キロメートルにも及ぶ(資料1)。

資料1.那須疏水
(撮影:筆者[2012/7/3])

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「水路のごみや規制との戦いを乗り越えた小水力の先駆者」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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