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ルワンダってどんな国?

カリソケ研究所(ルワンダ共和国)【番外編】

2012年7月31日(火)

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 ルワンダに行くというと、ほとんどの人に心配された。

 森さんも、ウィニーも、ステイシーも同様だったという。

 なぜなら、ルワンダ=怖い国というイメージが、世間一般では根強いからだ。

 直接的な原因を辿れば、1994年、国民の大多数を占めるフツ族の政権過激派が、少数派のツチ族を根絶やしにする政策を強行し、おおよそ100万人(ルワンダ国内で定説になっている数)のツチ族が殺害された「ジェノサイド」だろう。数字を書いてもただの「数」になってしまうが、四国の1.5倍ほどの土地に、当時、500万人あまりが住んでいた国で、毎日1万人もの人間が3ヵ月にわたって殺され続けたというのは想像を絶している。

 いや、想像してみるべきだ。1日に1万人という数は、どのような軍隊が通常兵器を用いて達成しようとしても簡単ではないだろう。事実、ルワンダで1994年に起こったことは、隣人による隣人の殺人の連鎖だった。加害者であるフツ族でも、穏健派はまず見せしめに殺されたので、ツチ族を殺さなければ自分も殺されるという恐怖感の中で殺戮が続いた。

 もっとも、1994年の時点で国際社会は事態を無視していたから、日本でリアルタイムでそのことを知っていた人は少ないはずだ。むしろ21世紀になって、『ホテル・ルワンダ』(2004年)や『ルワンダの涙』(2005年)といった映画が作られ世界各地で上映されてから有名になった。そのため、ルワンダのジェノサイドは比較的最近のことと思われがちだ。

映画「ホテル・ルワンダ」の舞台になったホテル「ミルコリンズ」

 もちろんまだ事件後20年も経っていないわけで、「最近」であることは間違いない。ただ、ジェノサイド収束後に、海外に離散していた国民が戻って、素早い復興がはかられ、2012年時点では、「アフリカの奇跡」とまで呼ばれる成長を遂げている。人口が1000万人以上に膨れあがっていることも前に書いた。

 象徴的な事実を書こう。

 ルワンダでは、男女を問わず、首都のキガリで、夜、1人歩きしても、怖くない。まったく怖くない。これは地方都市でも同じだ。

 ピリピリした雰囲気がないだけでなく、かりに財布を落としたとしても、「あ、これ落としましたよ」と通りかかった人が届けてくれるほどだ(これは知人の話であり、実体験ではない……念のため)。これが同じアフリカのナイロビやヨハネスブルクでは、財布ではなくとも、カメラのような換金性がありそうなものを外に出しているだけで、いつひったくってやろうかという視線が路上から集中すること請け合いだ。

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「ルワンダってどんな国?」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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