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10年後には、人民元がドルやユーロに肩を並べる?

貿易での人民元建て決済の拡大がけん引

  • 立澤 賢一

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2012年7月31日(火)

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 2007年から緩やかに始まった人民元国際化は、中国政府の第12次5カ年計画(2011年~2015年)にも盛り込まれたことでいまや中国政府の最重要戦略の1つになった。人民元国際化の狙いは幾つかある。まず、国際基軸通貨であるドルおよびユーロの信任が揺らぎ、通貨価値の持続性について不透明性が高まったことである。今年3月末で3兆3000億ドルもの外貨準備高を保有する中国にとっては、せっかく稼いだ資産の価値を失うことにもなりかねない。また、国際基軸通貨が動揺していることは人民元を国際通貨に育て、国際金融システムの主導権を握る千歳一隅のチャンスと見ている節もある。

 さらに、人民元が国際通貨になれば、オフショア金融センターとしての香港の地位を不動のものに出来るだけでなく、上海国際金融センター構想実現のための起爆剤にもなる。2011年夏には李克強副首相、今年7月の香港返還15周年には胡錦濤総書記がそれぞれ香港を訪問したことからも分かるとおり、中国にとって香港市場の重要性は不変であり、人民元の国際化を進めると公約した背景には香港市場の発展がある。

 中国の人民元国際化戦略の巧みなところは、最近、HSBCが発表した「グローバル・コネクションズ・レポート」にあるとおり、2026年までに160%も拡大すると予想される中国の貿易取引(金額ベース)を、人民元建てにシフトさせることを戦略の柱に据えていることである。

 まず、貿易決済として人民元の使用を促し、オフショアに蓄積した人民元をオフショア人民元債、対内直接投資(RQFII)や、ETFなどの形で投資させるという戦略である。投機的資本取引を排除しつつ、貿易という実需に基づいて人民元の国際化を進める戦略は成功する公算が極めて高い。10年後には人民元はドル、ユーロ、円と並ぶ国際通貨に成長するものと予想される。日本企業もこのチャンスを逃す手はない。オフショア人民元市場の位置づけはこのような流れの中で見ると良く分かる。

2050年には、中国経済は米国を10%超上回る

 中国経済は2000年代における飛躍的な経済成長を受け、既に日本を抜いて世界第2位の経済大国になっている。今後も低所得層の中間所得層化などを背景に中長期的に高成長が続くとみられる。HSBCでは、2050年には中国経済はその規模で米国を10%超上回る世界一の経済大国になると予想している。

 世界経済における存在感の上昇とともに、人民元国際化の推進の必要性も高まっているが、急激な国際化・自由化は、輸出競争力の低下、金融システムを先進国が既に構築したルールに適合させる必要などを通じて、中国経済に無視できない悪影響を及ぼすリスクを伴うため、中国当局は緩やかかつ秩序だった人民元の国際化を志向している。

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