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北朝鮮の李英鎬・総参謀長が電撃解任

金正恩氏がいよいよ統治体制を確立

  • 武貞 秀士

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2012年7月19日(木)

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北朝鮮の李英鎬総参謀長が、労働党における役職から突然解任された。同氏は、金正日時代から家族の一員として待遇された側近中の側近である。いったい何が起きているのか? 朝鮮半島問題の専門家、武貞秀士・延世大学国際学部教授に解説していただいた。

 北朝鮮の軍の最高位にいる李英鎬(リ・ヨンホ)氏が、労働党における役職から突如解任された。これは内部抗争の嵐の結果ではない。金正恩氏の実権が党・軍に浸透した結果である。

異例ずくめの解任劇

 李英鎬氏(69歳)が、7月15日の労働党政治局会議で、労働党におけるすべての役職を解任された。同氏は、以下の役職を兼務する軍の最高位の人物である――朝鮮人民軍次帥、軍の総参謀長、労働党政治局常務委員、労働党中央軍事委員会副委員長。軍の最重要の人物であることは、2011年12月に行われた、金正日総書記の葬儀の立ち位置からもはっきりしている。同氏は、金正恩第1書記と共に霊柩車の前に立っていた。李英鎬氏の父は金日成主席の同志であった。母も抗日闘争の同志で、さらに、金正日総書記の母親がわりを務めた。それほど重要な人物である。

 それにしても異例づくめの解任劇であった。李英鎬氏は、朝鮮人民軍を牛耳る人物であり、1週間前には金正恩第1書記に同行していることが報道されていた。重要人物の解任を「健康上の理由により」と説明しているのも異例だ。説明の中で「李英鎬」と呼びつけにしていることにも違和感がある。解任を決定したのは7月15日・日曜日に開かれた政治局会議であった。同会議を日曜日に開催するのは異例である。そもそも金正日総書記時代には政治局会議はほとんど開催されていない。つまり、急いで特別に会議を開催するする政治的理由が生じたと見るべきだ。

 いま、事実関係だけを見た場合、北朝鮮軍の部隊は平静であり、表立った反対はない。金正恩氏は、いつもどおりの執務を行なっているようだ。金正恩氏の身辺に異変が起きて、突然の大型人事が決まったのではないとみられる。

 韓国メディアの報道は過熱しているが、北朝鮮軍を常時監視している韓国軍は平静を保っている。米国の動きも通常通りだ。軍事的観点から今回の北朝鮮の人事の動きを注視する姿勢をとってはいない。米国は、北朝鮮による4月のミサイル発射以降、対北朝鮮との関係改善を棚上げにしている。イラン問題と対中国対策に専念する姿勢を堅持している。

なぜ解任されたか

 なぜ、李英鎬氏は労働党の役職を解任されたのだろうか。理由は大きく3つある。

 第1に、金正恩第1書記の立場が強くなったからであろう。金正恩第1書記は内部で後継者に指名された2009年1月の直後から朝鮮人民軍の人事に関わってきた。2011年3月には人民保安部(警察にあたる)の朱相成(チュ・サンソン)部長を解任したあと、4月、軍出身の李明秀(リ・ミョンス)国防委員会行政局長を後任に起用した。

 2012年4月には、第4回党代表者会を開催して、以下の人事を行った。
・国家安全保衛部長:禹東則〈ウ・ドンチュク〉氏 → 金元弘〈キム・ウォンホン〉氏
・人民武力部長:金永春〈キム・ヨンチュン〉氏 → 金正覚〈キム・ジョンガク〉氏
・崔竜海〈チェ・リョンヘ〉氏を総政治局長に任命。

 その間、部隊レベルでは若い世代を抜擢することが目立っていた。前線に近い師団長や連隊長に40~50代の若い将校を起用したと言われている。金正恩第1書記は、予想以上のスピードで、金正恩カラーの人事を大胆に実施してきた。「金正恩体制」を急ピッチで仕上げているのである。

 今回の人事に関して、人事を決めた金正恩第1書記自身に反発する動きは見当たらない。これほど大きな人事を実行したというのに、北朝鮮の軍部隊の異常な行動は一切伝えられていない。

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