• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

ニッポンが勝てる?バレーボールの秘密

技術が変えるオリンピックの最前線

2012年7月26日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 だれでも小学生か中学生のころ、放課後などに体育館に忍び込み、バレーボールを手にとったことがあるだろう。

 一昔より前なら、傷んだボールも少なくない。表面の皮が剥がれ、輪郭が楕円に歪んだボールは軌道がナックルボールのように変化する。最初は面白くとも、とても体がついていかない。もしくは、空気がパンパンに入ったボールはレシーブすると骨にまで響くようで、遊び続ける気持ちを削がれることも少なくなかった。

 「素直に飛ぶボール」、「痛くないボール」。世界のトップアスリートが集う五輪でも、ボールへの希望は同じだ。2008年の北京五輪を前に、FIVB(国際バレーボール連盟)からミカサ(広島市)に寄せられたリクエストは「試合が盛り上がるようラリーが続くボール」だった。素直に飛び、痛くなければラリーは続きやすい。つまり、両者は同じことだ。結果から言うと、ミカサは要望に応え、「五輪採用球」の地位を守った。変哲のなさそうなボールに、どのような工夫が凝らされているのか。見てみよう。

クラリーノが促したボールの進化

 知る人ぞ知る、ミカサのパートナーはクラレだ。使われているのは人工皮革のクラリーノ。クラリーノといえばランドセルやカバンを思い浮かべがちだが、最近ではボールやサッカーシューズにも広く使われている。やや話が逸れるが、高機能品への展開は、クラリーノの収益改善策の柱の1つでもある。

 バレーボールの断面を拡大した画像は以下の通り。

 これでは何が何だか分からないので、1つ前のモデルで使われていた素材も紹介する。

 まず見て取れるのは、外側に泡のような構造を持つ表皮がついていることだ。これはポリウレタンでできている。

 「一口でクラリーノと言っても、いくつもタイプがあります。さあ、どうしようと色々と試しましたが、(痛くないようにするには)シンプルに柔らかい構造を採用すればいいという結論に至りました」とクラレのクラリーノ開発部部長、芦田哲哉氏は話す。内側にあるのはマイクロファイバーを使った不織布の層で、ここも前のモデルよりキメが整い、ショックを吸収しやすくしている。

 ポリウレタンの層を加えたことが、「素直に飛ぶボール」にもつながっていく。「ゴルフボールと同じですね」。ミカサで30年にわたりバレーボールを作り続けてきた、商品開発センターの柳本孝仁氏は話す。ボールを手に取れば分かるが、無数のディンプル(小さな凹み)加工が施されている。

 このディンプルが空気の流れを整え、不規則な動きを起きづらくしているのだ。

コメント1件コメント/レビュー

ミカサさんは、地元広島の誇れる企業です。私の勤務する会社もあやかりたいものです。(2012/07/26)

「五輪を支えるカネ、国、技術」のバックナンバー

一覧

「ニッポンが勝てる?バレーボールの秘密」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ミカサさんは、地元広島の誇れる企業です。私の勤務する会社もあやかりたいものです。(2012/07/26)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

変化を受け入れやすい組織体質があればビジネス上の“地殻変動”が起きた際にも、他社に半歩先んじられる。

井上 礼之 ダイキン工業会長