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「成熟しているから日本に店を出すのです」

デンマークの雑貨店「タイガー」のアジア初出店に学ぶ

2012年7月31日(火)

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 デンマークの雑貨ショップ「タイガー」のアジア1号店が7月21日、大阪・アメリカ村にオープンした。報道によると、オープン当日は入場制限が行われるほどの盛況ぶりだったそうで、閉店時間も17時に繰り上げたとのことだ。滑り出しは好調と言っていいだろう。オープンに先立ち7月19日に開催された内覧会に、筆者もお邪魔してみた。

 「タイガー」の商品はデザインがスタイリッシュでカラフルだが、価格は100~1000円と非常に安い。一般紙では「グローバルブランド」と報じられることもあるのだが、店舗を展開している国はデンマーク、イギリス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペイン、フィンランド、スウェーデンと、すべてヨーロッパ圏内である。米国には出店していない。店舗数は150店舗。グローバルブランドと言い切るにはちょっと抵抗がある。

7月21日、大阪・アメリカ村にオープンしたデンマーク発の雑貨店「タイガー」

 この状況を頭に入れて考えてもらいたいのだが、ヨーロッパ圏外への初めての出店が日本だったということはもっと特筆されるべきことだと思う。しかしながら、この観点で書かれた記事は残念ながらお目にかかったことがない。

 「タイガー」の概要をもう少し見てみよう。2011年の売上高は9400万ユーロとのことである。日本円に換算するとざっと100億円程度だ。仮に売上高が100億円とすると、1店舗あたりの年間平均売上高は7000万円弱ということになる。また全店の年間来店者数は1400万人ということなので、平均客単価は700円強となる。商品の価格が安いので客単価も当然安くなるということだろう。

ゼブラ(シマウマ)が経営するタイガーという雑貨店

 ヨーロッパ圏外の第1号店となるアメリカ村は2層構造で、2フロアの合計面積は約500平方メートル。すなわち150坪強である。店内は間仕切りによって進行方向が決められており、資料によると「すべてのセクションを通ってレジへ導かれる」とのことだ。

 標準的な店舗の大きさは200~300平方メートルということなので、アメリカ村店はその2倍の大きさということであるから、「タイガー」を展開するゼブラ社がいかに力を入れているかがわかる。余談だが、ゼブラ(シマウマ)という企業が展開するブランドがタイガー(トラ)というのが何とも面白い。

 アメリカ村店は品ぞろえも価格もヨーロッパと同じである。年間で7500アイテムが並び、毎月300アイテムが入れ替わる。そのため「見た時が買い時。次に来店した時には商品が入れ替わっている」という状態になり、セールでの処分販売はない。

 今後は、今年中に大阪にあと2店舗をオープンさせる予定だという。今回のアメリカ村店はテストケースなので売上高目標は設定していないそうだが、できれば1億円を目指したい考えのようだ。一方、ヨーロッパでは今年、一挙に65店舗をオープンさせるという。急ピッチで規模拡大に取り組んでいるようだ。

 内覧会当日は、ゼブラのレナート・ライボシツCEO(最高経営責任者)が来日して、報道各社と個別に簡易インタビューを開いてくれた。そのインタビューの席で「もっとも多かった質問は何か」と尋ねたところ、「なぜ大阪に出店したのか」だったそうだ。

 なぜ大阪なのかという質問に対し、ライボシツCEOはこう答えてくれた。「東京は市場としては大きすぎ、競合ブランドがありすぎて当社の存在が薄まってしまいます。大阪はコンパクトなので存在感をアピールできます。それに、最初に大阪に進出したことで、マスコミの皆さんも興味を持っていただいた(笑)」。

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「「成熟しているから日本に店を出すのです」」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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