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韓国は「米中対立の狭間をうまく泳ぎ切れる」と考えている

漂流する韓国を木村幹教授と「時代精神」で読み解く【夏季集中講座:その1】

2012年8月1日(水)

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 米国と中国の対立のはざまで揺れる韓国。「どこまで中国になびくのか」、「日本はどう対応すべきか」――。韓国政治研究で先頭を走る木村幹・神戸大学大学院教授に鈴置高史氏が聞いた(司会は伊藤暢人)。

「離米従中」を隠さなくなった韓国

鈴置:韓国の「離米従中」がはっきりしてきました。弾道ミサイルの射程延伸問題では、米国の規制に「NO!」を突きつけました。米国や国際機関によって禁止されてきたウラン濃縮や使用済み核燃料の再処理に関しても、韓国は解禁を強く求めています。

 韓国が今すぐ核ミサイル開発に走るわけではありませんが、保有への障害を取り除いておこうとの意図は明白です。米国の核の傘なしでもやっていける体制、つまり自主国防路線の確立に向け布石を打ち始めたのです。

 日本との軍事協定「物品役務相互提供協定(ACSA)」も棚上げ、あるいは放棄しました。表面的には「日本を拒否した」格好ですが、日韓軍事協定は米国の強い意向を受けたものですから、これも米国に「NO!」を言ったと同然です。

 一方、中国に対してはACSAに続き、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結を申し込みました。韓国はもう「離米従中」を隠さないようになりました。経済面でも日韓FTAよりも中韓FTAの交渉を優先させました。日中韓FTAにさえも消極的です。

「恐中」ではなく中国への「過剰忠誠」

木村:まさに今、韓国は外交的な立ち位置を大きく変え始めました。5月半ば以降、鈴置さんが「日経ビジネスオンライン」で毎回のように韓国の外交や安全保障を取り上げるのも「今、潮目にある」からだと思います。

木村幹(きむら・かん)神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史――大統領たちの栄光と蹉跌』(中公新書)がある。ホームページはこちら

 ただ、ご意見の一部には違和感も持ちます。中国が明確に韓国を動かそうとピンポイントを定めて操縦しようとしているように鈴置さんは書かれておられます。が、私は少し異なると思います。中国に脅されたから、というような直接的な理由によってではなく、言わば中国に対する「過剰忠誠」のようなメカニズムによって、韓国自身が、結果的に中国の意を迎える行動に出ているのだと思います。

 「過剰忠誠」のメカニズムは、例えば、昔の韓国の国内政治でもありました。朴正煕や全斗煥といったストロングマンが君臨していた時代には、大統領が直接命令もしないのに、部下がその意向を忖度して勝手に動く、という行動パターンがよく見られました。少し、比喩的になりますが、あの外交版だと考えると分かりよいと思います。

ヘーゲルとは異なる韓国人の「時代精神」

 もうひとつ指摘したいのは、今日の韓国人がしばしば口にする「時代精神」と関連した考え方です。ここで言う「時代精神」とは、例えばヘーゲルなどが述べたような「ある時代における支配的な精神傾向」といったものではなく、「抗うことのできない時代の流れや常識」といったものを意味します。そして、それが今日の韓国では、「アメリカ中心の時代はすでに終り、中国中心の時代が到来しつつある」というのが、「時代精神」として見なされつつあるのです

コメント2件コメント/レビュー

以前から著者の鈴置氏の言説に違和感を感じていたので、今回木村先生が登場したことで、少しその理由がわかった感じもあってこの対談そのものはよいですね。▼その違和感の原因となっていたのは、では韓国のことをあれこれ言うけど、日本だって置かれている立場としてはたいして変わらないわけなのに、自らの視座を自分勝手にぽいっと持ち上げていて、なんか小説家みたいな人だなと感じていました。ここでは韓国について語っているのですから話をわざわざ日本に持っていく必要もないわけですが、朝鮮半島の話をするからには、隣国としてごく普通に日本もその関係の中で語られるべきなのを、今回もそうなのですが米国と中国の2か国だけの問題として語る限りは、単なるステレオタイプで浅薄な議論で終わると思います。▼それを日本がだらしないからとか、存在感がないとか言っている限りはダメであって、隣国であるからにはマイナスの面も含めて少なからぬ影響を与えているのは確かなわけです。もう少し多角的な視野で語ってほしいですね。(2012/08/01)

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「韓国は「米中対立の狭間をうまく泳ぎ切れる」と考えている」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

以前から著者の鈴置氏の言説に違和感を感じていたので、今回木村先生が登場したことで、少しその理由がわかった感じもあってこの対談そのものはよいですね。▼その違和感の原因となっていたのは、では韓国のことをあれこれ言うけど、日本だって置かれている立場としてはたいして変わらないわけなのに、自らの視座を自分勝手にぽいっと持ち上げていて、なんか小説家みたいな人だなと感じていました。ここでは韓国について語っているのですから話をわざわざ日本に持っていく必要もないわけですが、朝鮮半島の話をするからには、隣国としてごく普通に日本もその関係の中で語られるべきなのを、今回もそうなのですが米国と中国の2か国だけの問題として語る限りは、単なるステレオタイプで浅薄な議論で終わると思います。▼それを日本がだらしないからとか、存在感がないとか言っている限りはダメであって、隣国であるからにはマイナスの面も含めて少なからぬ影響を与えているのは確かなわけです。もう少し多角的な視野で語ってほしいですね。(2012/08/01)

韓国人の「アメリカ中心の時代はすでに終り、中国中心の時代が到来しつつある」という見方ですが、人口の頭数や短期的な経済成長しか見ておらず浅はかだな…と感じずにはいられません。中国の富裕層はアメリカや日本などの資産を買い漁っていますが、それは何かあった時の逃げ場所を作るため。また中国では人口も1人っ子政策の影響で日本以上に急速な高齢化が将来的には進行しますが、世界中から若くて才能のある方が集まってくる社会システムを既に作り上げているアメリカの国際競争力はそう簡単には失われないでしょう。日本は国土を守ってもらう代償としてアメリカに経済的に搾取されていますが、韓国はどの道を選ぶのか。米中双方にしっぽを振ったあげく、米国からは経済的に搾取され続け、中国からも領土や海洋資源を略奪されるどっちつかずの取られ損にならなければいいんですけどね…。(2012/08/01)

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