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欧州中央銀行による債務国の国債購入に批判続出

「フィンランド国民は自己管理を怠った国に対する緊急救済を歓迎できない」

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2012年8月10日(金)

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 欧州中央銀行(ECB)は8月2日に理事会を開催し、マリオ・ドラギ総裁がスペインなどの債務国の国債を買い入れる意向を示した。スペインとイタリアの国債利回りが高止まりしており、金利調整などの伝統的な金融政策が一向に目立った効果を発揮しないことに業を煮やして市場介入を表明したものだ。ECBは2010年5月からの2年間に、債務国から2110億ユーロ相当の国債を買い上げている。しかし、利回り低下は一時的なものにとどまったため、今年5月以降、国債購入を凍結していた。

 ドラギ総裁は債務国の国債を購入する条件として、まずユーロ圏が欧州金融安定基金(EFSF)などを通じて債務国の国債を買い入れること、また対象国が厳格な条件と欧州銀行監督機構などの監督を受け入れることを挙げた。しかし買い入れ時期と規模は明言しなかった。このため市場では逆に失望感が広がった。ユーロは一時1.21ドル台まで下がり、スペイン国債利回りは7%を突破する結果になった。

 落胆したのは市場だけではない。欧州各国、そして米国からもECBの対応への辛辣な批評が相次いだ。

「ECBの措置は単なる時間稼ぎ」(米WSJ)

 米ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「言葉だけでは不十分」という見出しで、ドラギ総裁が国債購入の具体策を示せなかったことに対する市場の落胆を報道した。同紙はブログで「ECBの国債買い入れはユーロ地域問題の恒久的な解決策ではない」と指摘した。さらに、同紙のアレン・ミッチ記者は次のように分析した。ECBによる国債購入は「欧州の政治家が単一通貨制度の維持に必要なヨーロッパの財政統合やユーロ共同債を確立するまでの2~3年の時間稼ぎ」と。

 ECBの理事会では、6月下旬に開かれたEU首脳会議の時と同様、ドイツなどの債権国とスペインなどの債務国の間で意見の相違があった。当初、国債買い入れにドイツ、オランダ、フィンランド、ルクセンブルク、エストニアが反対した。議論の後にも、ドイツ連銀のイェンス・バイトマン総裁は、23人いる理事の中でただ1人、債務国の国債を買い入れることに異議を唱え続けた。

 ドイツ政府は公式コメントを発表していないものの、全国紙フランクフルター・アルゲマイネは、メルケル首相がECBによる国債購入を「拒否している」と伝えている。また、レスラー経済相は「ECBの役割はユーロ価値の安定を保証することであり、各国に融資することではない。また通貨政策は債務国の財政改革努力を代替することもできない」と発言、今回の措置が「インフレ同盟への道」となる可能性を示唆した。

「介入は不必要で、間違っている」(ドイツ紙)

 ドイツのメディアでは、批判的な論調が圧倒的に多い。ECBには債務国の国債を買い入れる権限がないこと、インフレ高進のリスクが高まることを指摘している。また各紙とも、国債買入により債務国が改革を続ける意志を損なう可能性があると懸念している。

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