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バイオマス発電は林業再生の切り札

資源利用の公式通りではないが積極的に位置づけるべき

2012年8月16日(木)

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 今回は、日本の林業・製材業が抱える問題を紹介し、木質バイオマス発電が果たす役割について考察する。バイオマス発電は、林業が再生するための切り札になるとともに、再エネ発電がもつもう一つの大きな可能性を示すものである。

木材生産額はピーク時の2割に

 まず、日本の林業の状況を概観する。2010年の日本の木材需要は、7025万立方メートルである。内訳は、製材用材35%、パルプ・チップ用材45%、合板用材13%、その他7%である。長期的にみると、戦後復興期、高度成長期に増加し、1973年にはピークとなる1億1800万立方メートルに達した。しかし、2度の石油危機で減少に転じ、バブル崩壊後でさらに減少した。リーマンショック後の2009年は6300万立方メートルとボトムを記録する。2010年は回復したがピーク時の6割弱に留まる。製材用材の8割は建築用であるが、ピーク時の3分の1しかない。木造住宅の着工戸数は、1973年の112万戸から2010年は46万戸となっている。

 供給を見ると、2010年は、国産材は1820万立方メートルで、シェア(自給率)は26%である。国産材供給量のピークは1967年の5300万立方メートルである。自給率は1955年に95%あったが、その後ほぼ一貫して低下し、2002年には、18%とボトムを記録した。国産材の供給不足を補う形で輸入材が増えてきた。効率的な運営や長期的な為替高もあり、輸入材は価格競争力をもち、次第に自給率を上げていく。2003年以降ユーロ高などの為替動向、植林が伐採期に入ったこともあり、需要全体が減少する中で、自給率は緩やかに回復してきている。

 こうした需給を反映して、木材価格は劇的に低下した。資料1は、山元立木価格の推移を示している。ピーク時の1980年に比べて、2010年はスギ13%、ヒノキ20%程度である。これを受けて木材生産額は、1980年の9674億円に対し、2010年は1946億円と2割の水準である(資料2)。

資料1.全国平均山元立木価格の推移
(注)「山元立木価格」とは、森林に立っている状態での樹木の利用材積当り売渡価格。
(出所)森林・林業白書(平成24年版)
資料2.林業産出額の推移
(出所)森林・林業白書(平成24年版)

 山の資産価値も減少し、山林所有者や施業者は次第にやる気を無くしていく。昔は、山持ちは資産家であったが、次第に山はお荷物になってきている。スギ人工林の造成・育成費用は、50年間でヘクタール当たり231万円かかるが、2009年時点の価格で販売した場合91万円にしかならない。

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「バイオマス発電は林業再生の切り札」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官