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アジア新興国のこれからの成長は農村ブームと都市化が支える

消費拡大をけん引する農村、人口増に沸く都市部

  • フレドリック・ニューマン

  • 孕石 健次

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2012年8月29日(水)

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 今世紀に入り、インドとベトナムの1人当たりGDP(国内総生産)が1000ドルを超え、アジアの主要新興国全てがテイクオフ段階の低所得国から中所得国へ移行した。2011年に、高所得国入りしたシンガポールの同約4万7000ドルは別格としても、マレーシアが1万ドル弱、中国とタイが5000ドル強、インドネシアが3500ドル、フィリピンが2500ドル弱、インドとベトナムが1500ドル弱となっている。

 これらの国は、中所得国入り(世銀の分類で)したことで、従来の低賃金を生かした先進国向け輸出製造拠点としての位置付けに少しずつ変化が見られ、内外の企業はこれらの国の国内消費、域内輸出に注目するようになった。そのような変化の1つとして、6月には「アジア新興国におけるサービス産業の拡大」をテーマとして取り上げた。

 今回は、所得の向上がもたらすもう1つの変化を見ていこう。それは農村ブームと都市化である。しかも、住民の所得向上によってもたらされる農村ブームと都市化は、さらに所得をスパイラル的に引き上げる要因にもなる。農村ブームは、わが国でも数年前より話題となっている「BOP(ベース・オブ・ピラミッド)ビジネス」、例えば、フランスの食品会社ダノンや米国の家庭用品メーカーP&Gのインドの農村での販売強化の動きなどの背景となっている。

 アジア新興国経済がグローバル金融危機の中で、比較的底堅く推移している理由の1つには、このようなアジア新興国経済の構造変化がある。HSBCのエコノミストがこの問題を分析した。

所得の伸びるスピードは都市部よりも農村が速い

 アジアと言えば、新しくオープンしたショッピングモール、活気溢れる工場、きらびやかなホテルを思い浮かべる向きが多い。しかし、本当のブームは農村で起こっている。これには重要な意味がある。第1に、農村から工業地帯への出稼ぎ労働者がより高い賃金を求めるため賃金プレッシャーが高まる。第2に、農村と都市間の格差が縮小する一方、都市における格差は一段と深刻化する。政府にとって見れば、これは潜在成長率が鈍化してきたことを意味すると共に、鉱工業の不振が必ずしも金融政策を決める際の最も良い判断材料にはならなくなったということだ。

 最近の数年、アジアでは一定期間ごとに食料品インフレが蔓延する。まず、2008年の食料品価格高騰。そしてその後の3年間でも、2008年ほど喧伝されなかったものの、価格高騰の波が襲った。最近では、価格圧力は沈静化したものの、食料品価格の絶対水準はかつてないほど高くなっている。見逃してはならないのは、食料品が、繰り返しインフレ要因となるばかりでなく、相対価格においても長期的な影響をもたらすことだ。農産物は他のモノやサービスよりも速いペースで価格が上昇している。

 これは農村部にとって重大である。簡単に言えば、農民は収穫する農作物で、年々より多くのものを購入できるという交易条件の大きな変化を享受しているということにつながる。その結果、平均所得は、依然、都市部よりは低いものの、農村部の消費は急激に拡大している。

 残念ながら、この現象を裏付けるデータはあまりない。ただ、入手可能なデータでは明確な傾向が見られる。中国では、いくつかのデータによれば、2009年以降の所得の伸びは、農村部が都市部を上回っており、しかも、年々その伸び率の差が拡大している。

 インドネシアでは、農村部の1人当たり消費額増加率はこれまで都市部を下回っていたが、2006年以降は逆転している。タイでは、2007年に、概して農村地帯である東北地域の所得の伸びがバンコク圏を上回り、以来、この傾向が続いているように見える。インドでも、同様の傾向が見られる。近年の食料品価格の上昇と農村部の公的雇用スキームのお陰で、農村部では消費が急増しており、鉱工業部門がやや弱いにも拘わらず全体の需要が押し上げられている。

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