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被災馬と祭りの喜びを分かち合った南相馬の人たち

野馬追とともに始まった東北の夏が終わった

  • 菊池 由希子

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2012年9月3日(月)

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 6月末の夕暮れ、南相馬市内を自動車で走っていたら、家紋の入った旗が立っている民家が見えた。

 「あれは野馬追に出る家かな?」

 戻って家のベルを鳴らしてみるが、誰もいない。そこで、隣の家で庭の手入れをする女性たちに話を伺ってみた。

 「あの旗は野馬追のものですか?」

 「(旗を立てるのは)明日(7月1日)からなんだけどね。明日は出掛けるから一足先に今日旗を立てたのよ。旦那さんが病気で、お医者さんに野馬追には出てはいけないと言われたから、奥さんがせめて旗だけでも、って」
 と、説明してくれた。

 「男のロマンだからね」
 と、女性たちはにんまりとした。

2012年7月28日~30日の3日間行われた南相馬野馬追。 祭りの2日目に行われた甲冑競馬では、白鉢巻に旗差物姿の若武者が競馬場を疾走した
真っ黒に日焼けした武者姿の若者たちが自在に馬を操る

 「男のロマン」などと聞くと、私が真っ先に思い出すのはチェチェン男たちだ。彼らの男らしさへのこだわりといったら半端じゃない。体格でロシア人には劣っても、男らしさで勝負するなら決して劣ってはいない。戦場で水が不足している時を除いて、いつも体を清潔に保ち、さらに香水を振りかけ、自分の格好を常に気にしている。

 野馬追前になると、武者たちはひげを伸ばすそうだが、チェチェン男もひげを実によく好む。ひげは女の顔にはないものなので、男らしさの象徴的なパーツである。こういう格好つけた男たちといると、女性もまた女らしくなる。戦火の中でも荒廃したまちの中でも、女たちは可能な限り化粧やおしゃれをして美しくあろうとする。そんな女たちを見て、不便な環境の中でも必死できれいに見せようとしている女性たちの姿を見かけると「美は犠牲を伴う」と男たちは声をかけながらほほ笑むのだった。

チェチェンでは女性は馬に乗れなかった

 もう一つ思い出すのは、ロシアやチェチェンの馬たちだ。

 ロシアではモスクワでも私の住んでいたアパートの周りをよく馬に乗って歩いている近所の人たちがいたので、車が増えているモスクワであっても、馬がいることには違和感なかった。また、赤の広場では馬に乗る女性警官も見られ、観光客がよくカメラを向けていた。

チェチェンの馬

 モスクワと違って、チェチェンでは幼い女の子以外は、女性は馬に乗れなかった。馬だけではなく女性は自転車などにも乗せてもらえない。「またがる」のがいけないのか、理由は結局よく分からなかったが、とにかく「不真面目だ」と言われ、乗せてもらえた試しがない。

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