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ドラギ総裁はドイツを抑え込めるか

ECB国債購入再開がもたらす欧州勢の日本株買い

2012年9月3日(月)

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 ユーロ圏の新しい構造様式はすべてのユーロ諸国、特にドイツにとって持続的な繁栄をもたらすのに望ましい――。欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は8月29日付の独週刊誌「ツァイト」への寄稿で、南欧諸国の国債購入再開に反対するドイツにこう反論した。

 ドラギ総裁は前回、定例理事会が開かれた8月2日、財政悪化が著しいスペインやイタリアといった南欧諸国の短期国債を購入する姿勢を打ち出した。しかし、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁が公然と反対すると、米ワイオミング州のジャクソンホールで8月31日に開かれた世界中央銀行首脳の会合への参加を急遽、取り止めてまで、国債購入策の導入に向けた調整に奔走することになった。

ドラギ総裁「通常の金融政策手段を超越」

 昨年11月にECB総裁に就任してから10カ月。ドラギ総裁の存在感は、歴史的に中央銀行の役割をインフレファイターと位置づけてきたドイツと対峙する形で増してきている。欧州債務危機が深刻化して以降、ユーロ統合の原理原則とともにユーロ圏経済は動揺した。困難な局面でECB入りしたドラギ総裁は「われわれの責務は時々、通常の金融政策手段を超越することを求められる」と、中央銀行の役割が広がっていると主張する。

 今週6日の定例理事会では、先月に表明した新しい国債購入の具体策を打ち出すとの期待が市場に広がっている。欧州連合(EU)の欧州委員会が8月30日に発表した8月のユーロ圏各国の景況感指数(下図参照)で、南欧のイタリアとスペインの落ち込みが目立ったことも早期の支援を促す。しかし、独与党のキリスト教社会同盟の幹部が反対の意向を示すなど、ドラギ総裁は依然として逆風にさらされており、ギリギリまで攻防が予想される。

 仮に、新たな国債購入策の導入が決まった場合、スペインやイタリアの国債利回りが低下し、ユーロの買い戻しにつながるとの見方は多い。もっとも、金融緩和策は金利が低下するのだから本来、自国通貨の売り要因となる。

 上の図が示すように、ドイツと米国の2年物国債の利回りを比較すると、春以降、ドイツの低下圧力が相対的に強い様子がわかる。7月に入ってからは、独2年物国債の利回りはマイナス金利となる場面も頻発している。独米の金利格差が広がる過程では、ユーロの対ドル相場が下落するという経験則も読み取れる。このため、ECBが国債購入を決めてもユーロの戻りは一時的で、金融緩和余地が残る限り、中長期的にはユーロの軟調な展開が予想される。

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「ドラギ総裁はドイツを抑え込めるか」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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