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米国は少なくとも5年、欧州は20年、経済低迷が続く

第2回:世界経済の約半分を占める欧米の苦境は日本企業への重い負担

  • 中原 圭介

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2012年9月7日(金)

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 前回の記事では、「日本経済に与える影響の度合いが大きいのは、消費増税そのものよりも、そのときの海外の経済情勢の方である」と述べました。また、「経営者たるもの、『米国や、欧州、新興国のそれぞれの経済がお互いにどのように作用し合っているのか』『米国や欧州の経済を低迷させている本質は何なのか』『それでは、その低迷はどのくらい続くのか』といったことを、予め知っておく必要がある」ということもお伝えしました。

 それは、リーマンショックとは直接関係がなかった日本の実体経済が、ショック直後に先進国の中で最も落ち込んだことからも明らかです。ちなみに、日本と同じく輸出依存型の経済を持つ韓国の落ち込みも、新興国の中では群を抜いていました。

 そこで第2回では、「米国や欧州の経済を低迷させている本質は何なのか」「それでは、その低迷はどのくらい続くのか」といった事柄に焦点を当てて説明したいと思います。

米国は10年単位の低迷が避けられない

 私は、日本が経験した「失われた10年」と同じように、米国でも10年単位の低迷が避けられないと見ています。なぜかというと、米国経済の景気低迷を長引かせる要因が、日本と同じく「バランスシート不況」にあるからです。

 バランスシート不況とは、バブルが崩壊し資産価値の急落が起こると、債務超過となった企業が財務内容を修復するために、投資や労働コストを抑えて、借金返済を優先するようになることをいいます。債務超過となった家計が、消費を抑えて、借金返済を優先するようになる場合にもこの言葉は使われます。前者が日本型、後者が米国型のバランスシート不況です。いずれの場合も、投資や消費が伸びずに、実体経済に悪影響を及ぼしてしまいます。

 それにやや遅れて、企業や家計に必要以上に貸し込むことでバブル崩壊のダメージを受けた銀行は、財務内容を修復させるために、貸出や新規の融資を減らすという行動を取るようになります。その結果、いくら中央銀行が金融緩和を行っても貸出は伸びず、企業の設備投資や労働者の賃金が抑制されて、景気がいっそう悪化してしまうのです。

 米国では、リーマンショック以降、不動産価格の下落によって住宅ローン返済の負担が重くなる一方、経済の中核を担う中間層の収入が減少することによって、家計のバランスシートが著しく悪化しています。その結果、米国のGDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費が思うように伸びず、景気回復の重い足かせとなっています。

 日本のバブル崩壊時には、地価の暴落によって、土地を担保に膨大な借金をしていた企業のバランスシートが大幅に悪化しました。その後、企業が借金を返済することを優先し、設備投資や人件費の圧縮に長期的に取り組むこととなりました。このことが、日本の「失われた10年」を招く直接の原因となったのです。

 一方で、米国の場合は、悪化しているのは家計のバランスシートです。住宅バブルが崩壊する以前の米国では、住宅価格の値上がり分を担保に借金してモノを買うという「ホームエクイティ・ローン」が消費を必要以上に大きく上振れさせていました。ところが、それまでの流れが逆回転し住宅価格が下落に転じると、一気に家計のバランスシートが悪化し、家計は借金返済を優先せざるを得ない状況に陥りました。

 米国の住宅価格は最悪期を脱したように見えますが、ピーク時に比べるとなお半分以下にとどまる物件も多く見られます。代表的な住宅関連指標であるS&Pケース・シラー全米住宅価格指数は、2011年10-12月期に住宅バブル崩壊後の最低値を付け、2012年1-3月期は少し上昇しましたが、まだ力強い上昇過程を描くにはほど遠い状況です。

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