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ユニクロのダウンが握る北陸繊維産業の命運

好調はいつまでも続くと思うな

2012年9月11日(火)

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店頭に並び始めたユニクロの「プレミアムダウンウルトラライトジャケット」

 毎度のことだが、ユニクロはシーズンアイテムをかなり早めに投入する。今年もすでに7月20日ごろにはダウンジャケット類が店頭に投入されている。ドカンと莫大な量を作り、半年かけて売り減らしていくのが20年来続くスタイルである。このタイミングでのダウンジャケット類の投入は、同業他社と比べても格段に早い。

 ダウンジャケットは中の羽毛をナイロンやポリエステルの生地で包む。織物の密度が粗ければ中の羽毛が飛び出しやすいので、高密度に織られたものを使用する。ユニクロの場合はポリエステルの高密度タフタと呼ばれる生地を使用している。

 ナイロンやポリエステルなどの合成繊維(合繊)を使って織り・編み・染色などを行っているのが福井、石川、富山の産地であり、繊維業界では一括りにして「北陸産地」と呼ばれる。

活況から「壊滅的な悪化」に転じる

 北陸産地は昨年までは活況を呈していた。ところが今年に入ってから、「北陸産地は壊滅的に悪くなった」との声を聞くようになった。8月17日付けの繊研新聞が北陸産地の惨状を1面で伝えている。同紙が今年1~6月の受注状況について北陸産地21社へのアンケート調査を行っている。記事はその結果をまとめたものだ。

 記事によると「7割以上の企業が前年に比べ数量(受注量)が落ち込んだと回答。半年前に行った調査との比較で30ポイント以上悪化した」という。また別の個所では「減少幅は大半が10~20%だが、45%減という厳しい回答もあった」とされており、産地全体の失速感が伝わる。

 原因として「不振品種としては高密度織物、インナー、ハイテンション、裏地などが挙がっており、北陸産地をけん引してきた高密度織物やハイテンションニットといった素材が失速しているのが特徴的だ」とする。

 昨年までの北陸産地の好調は、先ほど挙げたように高密度タフタに代表される高密度織物やハイテンションニットによって支えられてきた。そして高密度織物の何割かはユニクロにダウンジャケット用素材として供給されていた。昨年秋冬に発売した「ウルトラライトダウン」の生地は北陸産地が供給していたのである。

 2年近く前の2010年11月18日付けの繊研新聞で既に、北陸産地の第一織物の社長が「いい悪いではなく、今、北陸産地はダウンジャケットの表地の大量受注に飛びついている」と警鐘を鳴らしていた。そして「北陸産地は完全にユニクロとニトリの掌に乗った。これには疑問を抱いてしまう。昔は合繊メーカーの掌に乗っていたが、彼らには少なくとも5~10年の生産計画があった。今、ユニクロとニトリに引かれたらと思うと。どんなに縮小しても均衡ある縮小でなければ生き残れない」と語っていた。

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「ユニクロのダウンが握る北陸繊維産業の命運」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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