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回収が今までの半分の期間でできなければ投資はやめよう

最終回:中国からは工場が逃げ出し始めている

  • 中原 圭介

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2012年9月11日(火)

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 第2回では、「米欧の経済は少なくとも5年は厳しい」という見解を示しました。それでは、「新興国の雄、中国はどうなのか?」と思う経営者の方々も多いでしょう。ですので、今回ではその疑問についてお答えしたいと思います。

 どの国においても経済の中核を担うのは中小企業であり、中小企業が良くならなければ、その国の経済も良くはなりません。このことは新興国での例外ではありません。

中国でも中小企業が疲弊している

 中国では、中小企業が4000万社以上もあり、雇用のおよそ8割を支えていると言われています。ところが、その中小企業と国有企業との格差は広がるばかりです。GDP(国内総生産)の6割を占める中小企業の崩壊が進めば、雇用の悪化や成長率の鈍化だけではなく、国有企業に勤めるエリート層と中小企業で働く大多数の国民との格差がこれまで以上に拡大してしまうでしょう。

 中国では、金融引締めが思うように緩められない状況で、国有企業は銀行から優先して融資を受けることができます。一方で、融資を得られずに倒産する中小企業が相次いでいます。銀行から融資を受けられる中小企業は、全体の1割しかないとも言われています。

 こうした中小企業の資金繰り難を背景に、政府の規制が及ばない非合法な高利貸しが増加傾向にあります。不動産や株式市場に流入していた余剰マネーが、より高利回りを求めて、高利貸しの資金源として流入しました。驚くべきことに、個人の余剰マネーばかりでなく、国有企業の余剰資金や役人の賄賂を貯め込んだお金までもが、その運用先として非合法な高利貸しに投じられているのです。

 高利貸しでは、金利が年率100%を超えるケースも多く、中小企業を破綻に追い込む元凶となっています。事態を重く見た政府は、早急に対応策を取るとしていますが、コントロール不能な高利貸しビジネスの拡大が、中国経済に大きなダメージを与える懸念が高まっています。

 すでに国民の不満は増大し、地方を中心に小規模なデモは頻繁に起こっています。政府はネットの規制などあらゆる手を使ってデモの拡大を抑え込もうとしているようですが、国民の7割が携帯電話を持つといわれる環境の下では、情報の統制などうまくいくはずがありません。

 中国は今後数年のうちに、地方政府系投資会社の破綻やそれに伴う銀行の不良債権の増大、中小企業の大量倒産と雇用情勢の悪化、格差の拡大による政情不安など、これらの諸問題が一気に押し寄せる危険が迫っていると言えそうです。

 中国において、メディア規制をしても隠し通せない程の大規模なデモが頻発するようになれば、世界経済は壊滅的なダメージを被ることは避けられません。これは、世界経済にとって最悪のシナリオと言えるでしょう。

 また、たとえ最悪のシナリオが回避できたとしても、新興国はそれぞれに政治リスクや構造的な格差の問題といった深刻な問題を抱えています。今後「○○ショック」と呼ばれるような大きな危機が、数年以内に新興国で起こるかもしれないということも想定しなければならないでしょう。

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