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空を飛ばない「アテンダント」がもてなすローカル線

運行停止から蘇った福井県のえちぜん鉄道・その1

2012年9月13日(木)

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 「何かご案内しましょうか?」――。

 福井県のローカル線「えちぜん鉄道」の車内でやさしく、そっと声をかけたのは、列車に乗務するアテンダントである。彼女たちは、大きな荷物を持っているとか、観光ガイドや時刻表を見ているといったことから観光客を見分け、何か困っているのではと積極的に声を掛ける。高齢の乗客であれば、切符を検札するときにどこの駅で降りるかを確認し、その駅が近づいたら一声かける。

福井県のローカル線、えちぜん鉄道

 このように、えちぜん鉄道のアテンダントは車内を歩きながら、いつも周囲に目配りしている。そして必要なときに乗客に声をかけ、会話をする。

 どうしてアテンダントたちは車内の乗客たちに声をかけ、会話をするのだろうか。

 それはアテンダント側から話しかけないと、乗客とのコミュニケーションにつながらないからである。そしてコミュニケーションがなければ、乗客が何に困っているかも気づくことができない。さらに、困っていることを解決できなければ、乗客は不便を感じ、いずれほかの交通手段を利用するようになってしまう。

 乗客は常に多様である。だから、えちぜん鉄道に乗務するアテンダント達は機械的な声かけはしない。乗客の行動を慎重に観察し、よく考えながら判断する。一人ひとりの乗客に合った方法で声をかける。もし乗客が何かに集中していれば、意識的に声をかけないこともある。

通勤時間帯には乗務しないアテンダント

 アテンダントは午前8時半までの列車には乗務しない。夕方5時以降の夜間も乗務しない。これらの時間帯の乗客のほとんどは定期券で日常的にえちぜん鉄道を利用する通勤通学客である。急いで最短で移動するため、何らかの手伝いを必要としないのである。

 アテンダントたちは(1)高齢で身体が不自由な高齢の乗客の「乗降補助」、(2)日中に鉄道を利用する地域住民へ「切符販売」、(3)地域の状況を十分に把握していない観光客への「情報提供(観光案内)」の3点で大きな役割を担っている。では、なぜ、えちぜん鉄道はアテンダントを乗務させるに至ったのだろうか。それを知るには同社の歴史と地方の公共交通機関が置かれた現状を知らなければならない。

 自家用車が普及し、交通手段の中心となっていったのは1960年代からである。それまでは鉄道やバスといった公共交通サービスが地域の移動手段であった。

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「空を飛ばない「アテンダント」がもてなすローカル線」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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