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日本で高レベル放射性廃棄物の最終処分はできない

「最終貯蔵」(terminal storage)方式で未来の世代に選択権を

2012年9月14日(金)

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 筆者は、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、内閣官房参与として2011年3月29日から9月2日まで、官邸において事故対策に取り組んだ。そこで、原発事故の想像を超えた深刻さと原子力行政の無力とも呼ぶべき現実を目の当たりにし、真の原発危機はこれから始まるとの思いを強くする。これから我が国がいかなる危機に直面するか、その危機に対して政府はどう処するべきか、この連載では田坂広志氏がインタビューに答える形で読者の疑問に答えていく。シリーズの7回目。

「脱原発政権」も直面する深刻な問題

9月11日に、日本学術会議が「高レベル放射性廃棄物の処分について」という報告書を内閣府原子力委員会に対して提出しましたが、この中で、「高レベル放射性廃棄物や使用済み燃料については、現時点で、十万年の安全性の保証が求められる最終処分(地層処分)を行うことは適切ではなく、数十年から数百年の期間、暫定保管をすべきである」との提言をしましたね。田坂さんは、この提言について、どう思われますか?

田坂:高レベル放射性廃棄物や使用済み燃料の地層処分の問題は、実は、私の学位論文のテーマでもあり、私自身、その専門家でもあるのですが、今年1月に上梓した著書『官邸から見た原発事故の真実』(光文社新書)において、現在の科学では、この地層処分という方式の「十万年の安全性」を証明することは不可能であることを述べました。

 そして、この学術会議の報告書と同じタイミングで上梓した新著(文末参照)では、この「最終処分」(final disposal)ができないときの代替策として「最終貯蔵」(terminal storage)を検討すべきことを述べています。この「最終貯蔵」という概念は、学術会議の「暫定保管」と同様の概念でもありますが、今回のインタビューでは、なぜ、この「最終貯蔵」という方式が必要なのか、そのことをもう少し深く論じてみたいと思います。

それは、ぜひ伺いたいと思いますが、そもそも、この「高レベル放射性廃棄物の最終処分」の問題は、「脱原発依存の政策」を進めても、必ず直面する問題ですね?

田坂:その通りです。この問題は、「脱原発依存」に向うとしても必ず直面する、深刻な問題です。

 ただ、正確に言えば、「脱原発依存」に向かい、使用済み燃料の再処理を行わないという政策に向かう場合には、「高レベル放射性廃棄物」ではなく「使用済み燃料」をどのように最終処分するかが問題となります。「高レベル放射性廃棄物」に換算して二万四千本に相当する「使用済み燃料」を直接処分するという問題です。

 ただし、この「高レベル放射性廃棄物」という言葉は、しばしば、「使用済み燃料」を含む広義の意味で使われることもありますので、報告書などを読むときは留意する必要があります。

突如、出現した「高レベル放射性廃棄物」

9月14日に田坂広志の新著『田坂教授、教えてください。これから原発は、どうなるのですか?』が発売されました。

しかし、従来の政府の計画では、「高レベル放射性廃棄物の最終処分」の問題は、30年から50年の長期貯蔵の後にやってくる、数十年先の問題ですね? これは、時間をかけて解決していけばよい問題ではないのでしょうか?

田坂:たしかに、「高レベル放射性廃棄物の最終処分」についての従来の政府の計画は、その通りであり、本来は、時間をかけて解決していけばよい問題でした。

 しかし実は、その状況が根本から変わったのです。

コメント14件コメント/レビュー

最終貯蔵or最終処分・・・言葉遊びしているように思えてならない。未来の人たちへ、リスクをあずけて、とぼけているようにしか読み取れなかった。この100年間の急成長を、異常だったことを認識して、デフレ経済を甘んじて人類は受け、しっかり無駄なものをそぎ落として生きていかないと、100年先は滅んでしまうことを恐れないといけないのではないか。領土問題では、はっきりと国のエゴが丸見えになってきているし、経済自体も欧米、日本は、アップアップ。失業者が増えるばかり、中国だって石炭の枯渇化が見えてきて、尖閣に血眼になっているではないか。イスラム社会とキリスト教系社会の対立な根深いし、宗教対立はあのジェントルマンの国イギリスの中でもくすぶっている。モラル、倫理感が薄れて、人を殺すことが、毎日報道されている。.クレーン車トレーラーの運転の稚拙さか、横着さによるのか、はたまた過労によるものか、子土間雄社会でもからかいの度を超えたいじめが通常化している。辛抱して、苦しいことを乗り越えようとしない、自己主張ばかりして、離婚。子供が犠牲になっている。ロリコンが増え、非結婚が増え、労働意欲をなくし、未来に希望が持てない若者が確かに増えている。右肩上がりの幻想経済から目を覚ましてほしい。ゼロに帰れ(2012/09/14)

「元内閣官房参与・田坂広志が語る原発危機の真実」のバックナンバー

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「日本で高レベル放射性廃棄物の最終処分はできない」の著者

田坂 広志

田坂 広志(たさか・ひろし)

多摩大学大学院教授

1974年東京大学卒業、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。米シンクタンク客員研究員などを経て、2000年多摩大学大学院教授に就任。2011年3~9月、東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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最終貯蔵or最終処分・・・言葉遊びしているように思えてならない。未来の人たちへ、リスクをあずけて、とぼけているようにしか読み取れなかった。この100年間の急成長を、異常だったことを認識して、デフレ経済を甘んじて人類は受け、しっかり無駄なものをそぎ落として生きていかないと、100年先は滅んでしまうことを恐れないといけないのではないか。領土問題では、はっきりと国のエゴが丸見えになってきているし、経済自体も欧米、日本は、アップアップ。失業者が増えるばかり、中国だって石炭の枯渇化が見えてきて、尖閣に血眼になっているではないか。イスラム社会とキリスト教系社会の対立な根深いし、宗教対立はあのジェントルマンの国イギリスの中でもくすぶっている。モラル、倫理感が薄れて、人を殺すことが、毎日報道されている。.クレーン車トレーラーの運転の稚拙さか、横着さによるのか、はたまた過労によるものか、子土間雄社会でもからかいの度を超えたいじめが通常化している。辛抱して、苦しいことを乗り越えようとしない、自己主張ばかりして、離婚。子供が犠牲になっている。ロリコンが増え、非結婚が増え、労働意欲をなくし、未来に希望が持てない若者が確かに増えている。右肩上がりの幻想経済から目を覚ましてほしい。ゼロに帰れ(2012/09/14)

「想定外があってはならない」という学者の発言以来、無責任に不安を煽る類いの発表や記事が多い。可能性がPPMでもPPBでも、ゼロでなければ「危険な可能性がある。」と決めつけている。私は原発推進派ではないが、これ程無責任な「進むも危険、下がるも危険。だから解決策が分かるまで放置しよう。」では政治家の問題先送りと何が違うのか。科学者は何時も最新の情報を基に最善の解を用意する義務がある。この記事で提案されている事は、「現在の医学ではこの病気は直せないので、直せるかも知れない将来を信じて病人を冷凍保存する。」事に似ている。体の良い先送りに他ならない。世界中の専門家が知恵を絞って導き出したのが「地層処分」であろう。その解に「但し、地震国には不適格」という但し書きでもあったのか。活断層は避けるにしても、日本には何処にも安全な場所はない、という意見は100%の安全を言っているのかも知れないが、世の中に100%安全な場所など世界中何処にも無い。事故にも軽微なものから重度のものまであり、最悪の事故の確率が何PPM以内なら『安全』と判断するのが妥当である。化学が発展する遥か以前から自然界にも危険は一杯で、多くの危険の中を生き抜いて来た生物が今地球上に残っている。地球は放っておいてもあと50億年で太陽と共に寿命を終えると言われている。それよりずっと以前に石油や天然ガス、石炭などの資源も枯渇する。そうなっても人間はバイオ燃料を使って車を乗り回すのだろうか。発展途上の国々で爆発的に増加する人口の食料は十分自給出来るのか。将来の事などお構い無しに人類は発展を続けている。温室効果ガス排出規制も一部先進国だけがまともに取り組んでいるだけで、米中の二大排出国はエゴをむき出しにして排出増加の権利を主張している。国のエゴだけでなく、個人のエゴもグローバリゼーションという言い訳で堂々と主張する人が増えて来た。全てが地球存続にとって極めて危険な事柄は山積みだ。使用済み核燃料の最終処分は山ほどある難問の一つに過ぎない事を地球全体で共有する日の到来を祈る。(2012/09/14)

田坂氏のコメントを待つまでもなく、これだけ大問題が山積しているにもかかわらず、経団連に押し切られ大飯原発再稼動を認めてしまった政府、押し切った経団連もまた国民の信頼を失いました。せめて今年は、国民に正々堂々と節電を訴え、じっくりと長期的包括的に対策を一から構築すべきでした。国民の「節電力」を侮ってはいけない。いや、今からでも政府は国民に謝って、原発を止め、節電を訴え、一から議論をし直すべきです。そうすれば国民の信頼も回復可能でしょう。(2012/09/14)

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