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米国からブラジルを統括する愚

巨大消費市場のラブコールを袖にする日本

  • 邉見 伸弘

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2012年9月21日(金)

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 ブラジルの中心都市サンパウロ。ここには世界最大といわれる日本人街「リベルダージ」がある。週末には屋台が並び、焼きソバやたこ焼きまで売っている。まるで日本のお祭りの縁日のような光景だ。屋台も日本でみかけるものと全く同じだ。こんな街は世界で見たことがない。

中華街風の日本人街

 ただ、しばらく歩くと、なんとなく不思議な感覚がしてくる。「日本人街」と呼ばれているものの、むしろ横浜の中華街のようなイメージなのだ。よくよく見ると売っているものは日本っぽいが、何かが違う。実際、日本語もなかなか通じない。 ガイドブックに載っていた日本人街のイメージとは異なっていた。

 ペトロブラス前日本副代表で、国際協力銀行元リオデジャネイロ首席駐在員の相川武利氏はこう語る。「日系移民の所得は二分化している。富裕層の日系ブラジル人は郊外へと移り、貧困層はもはや日系移民という姿もなく、都市に住み、普通のブラジル人となっている。確かに、日本人街なので、売っているものは日本のものが多い。ただ、いまでは多くの商店が中国資本へと変わってきている。最近では、日本が導入した仕事のやり方を華僑がブラッシュアップするというユニークな構造が確立されつつある。しかしこうした構造の変化はあっても、東洋的な商売のやり方が受けることは事実だ」。

 東洋的な細やかな商売の手法が成功している一例がアルコール商品である。日本酒をベースとした女性にも飲みやすいカクテルが流行しているのだ。

 その代表が「カイピ酒」だ。これはブラジルの東山農場(TOZAN)が仕掛けた日本酒をベースにしたアルコールである。

 「カイピ酒」はアルコール度が低く、女性も飲みやすいお酒としてお洒落なバーに置かれている。筆者は学生時代ブラジル料理店でアルバイトをしたことがあるが、ブラジルのカクテルといえば、さとうきび焼酎をベースとした「カイピリーニャ」である。カイピ酒はこれを日本酒で割ったものだ。

 このカクテルを生み出した東山農場は、三菱グループの創業家である岩崎家が朝鮮半島、台湾、インドネシア、マレーシア、ブラジル、日本(小岩井農場)で行っていた農業事業から出発した歴史を持っている。日本の敗戦後、台湾などの事業は手放さざるを得なくなり、残った海外の農場がこの東山農場(TOZAN)というわけだ。

 東山農場と「カイピ酒」の事例が示すのは、日本とブラジルの深いつながりである。日本酒のカクテルがヒットするのも、両国が積み上げてきた歴史の土壌があるからだ。しかし、親日的なブラジルからのラブコールに対して、日本側の取り組みは驚くほど限定的だ。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授