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「アテンダント」が隠れたニーズを掘り起こす

運行停止から蘇った福井県のえちぜん鉄道・その3

2012年9月27日(木)

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 「ありがとうと言われると本当にうれしい」――。福井県のローカル線、えちぜん鉄道のあるアテンダントはこう話す。

 第1回第2回でも書いてきたように、アテンダントの仕事は多様である。えちぜん鉄道には無人駅も多く、駅に券売機がないことから車内で切符を販売しなければならない。乗客の多くが高齢者ということもあり、乗降補助も大事な仕事である。さらに観光客の利用もあり、様々な情報提供を通じて観光案内もする。

車両内で案内を行うアテンダント

 利用してくれる乗客に対し、アテンダントが「ありがとうございます」と声をかけるのは当然として、えちぜん鉄道では乗客がアテンダントに「ありがとう」と声をかける場面が多く見られる。こうした言葉に、アテンダントたちは「よりよいサービスを提供する」という気持ちになるのだという。

 ただ、アテンダントは利用客にサービスを「提供」することだけが仕事ではない。経営の観点から見ると、より重要な役割を担っているのだ。

アテンダントの仕事は情報収集

 アテンダントは常に車内を動き回っている。周囲を観察し、いつも乗客の次の行動を考えている。乗客の利便性や快適性の実現のために積極的に声をかける。会話もする。そしてどのような乗客がどのような目的で、どこに行こうとしているのかを理解するようにしている。

 会話通じて、アテンダントは様々な情報を入手できる。このような情報を蓄積しながら分析し、これまではっきりしていなかった乗客の細かいニーズを顕在化させることもアテンダントの大きな役割だ。ニーズを顕在化できれば、会社として様々なサービス改善も可能になる。

 だから、アテンダントにとって乗客と会話をすることは非常に重要だ。特に最初の声がけは重要である。もちろん、新人のアテンダントにとっては、乗客とは言え、見ず知らずの人に声をかけることは簡単なことではない。アテンダントを知らない観光客に声をかけて驚かれることもある。

 声がけは「安心して何でも聞いてください」という意味を持つ。ただ立っているだけでは、乗客は必要なこと以外はしてくれないと思ってしまう。また、「声をかける」という意識を持っていれば、乗客のちょっとした動きや変化に気づき、乗客から言われる前に対応することができる。

 例えば、高齢者の降車を手伝う際に、アテンダントたちは「おばあちゃんが荷物を持つ前に座席で切符をもらう」といったことを考えているという。降車直前に切符をもらうよりも高齢者にとってラクで、さらに受け渡しの時間も短くて済むため、運行に影響が出る可能性も低くなる。

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「「アテンダント」が隠れたニーズを掘り起こす」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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