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一貫性に欠ける国内政策がガラパゴス化を生む

バイオマスの主役、輸送用バイオ燃料(3)

2012年9月27日(木)

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 日本でも輸送用バイオ燃料は、バイオマスの主役になるはずであった。少なくとも国内生産・国内消費に関しては、最近は話題になることも少なくなった。藻類の研究が思い出したようにマスコミに出るが、先の長い話であり、地域振興や産業化のはなしにはまだまだ結びつかない。今回は、日本のバイオ燃料政策を概観し、鳴り物入りで始まった実証事業はどうなったのか、どうしてトーンダウンしたのかについて考察する。

迷走するバイオ燃料政策

 まず、日本の輸送用バイオ燃料政策を概観する。一目で、一貫性のないことが分かる(資料1)。

資料1.国内のバイオ燃料関連政策等の動き
(出所)各種資料より作成

 2005~2006年にかけて、温暖化対策や米国の積極策などの影響を受け、バイオ燃料の利用促進策が強化された。2010年までに原油換算50万キロリットルの使用を目標とし、石油業界に21万キロリットルの使用を要請する。

 2006年9月~2007年8月の安倍政権下でも国産燃料の積極利用が打ち出された。農林水産省は2030年頃に国産600万キロリットルの利用可能性を試算し、3つの実証事業が話題になった。2010年は、地球温暖化対策が焦点となる中で、2020年にガソリンに占める割合を3%以上とし、石油業界に原油換算50万キロリットル(2017年)の使用義務を課した。

 しかし、その後は急速にトーンダウンする。再生エネルギー推進を強く主張した民主党政権下で、事業仕訳などにより電力・燃料を問わず助成措置が削減された。特にバイオマスは実績不足などの理由で徹底的に叩かれた。311大震災で状況が変わり、再エネ電力の固定価格買い取り制度(FIT)が導入されるものの、バイオ燃料の先行きは依然として不透明である。世間の関心も薄れてきた。

 この9月6日に取りまとめられた「バイオマス事業化戦略」では、各種技術の整理が主で、国産にこだわらないとの方向が打ち出された。輸送用バイオ燃料は、石油業界(以下石連という)の理解の下に地産地消の可能性の具体化を検討とされた。この手の文書で個別業界が明示されることは珍しく、多大な調整を要したことが窺われる。もっともこの戦略は技術を主にまとめたもので、今後骨太で具体的な普及ストーリーが打ち出されることを期待したい。

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「一貫性に欠ける国内政策がガラパゴス化を生む」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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