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中国を悩ませる土壌汚染問題「毒地」

急がれる対策、信頼関係を再構築している時間はない

2012年10月15日(月)

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 「毒野菜」「毒ギョーザ」--。かつて世間を賑わした毒シリーズに今、もう一つの言葉が加わりそうだ。「毒地」である。市街地から郊外へと工場移転が進行中の中国。かつて立地していた工場から排出された危険物や化学物資で汚染された土壌が次々と環境被害を発生させている。

 どんな人もゴミ処分場のとなりにはすみたがらない。それと同様、汚染された土壌の上に住みたいと願う人は1人としていないだろう。もちろん中国でも同じである。今、中国でひそかにささやかれ始めた流行語が毒地である。汚染された土地と言う意味である。

 中国において不動産の価値が市場で認められ、不動産業が成立してからおよそ20年。不動産ブームの中、既存の都市における再開発は中国各地で今なお進行中である。こうした状況の中、かつて、工場で使用され、生み出された危険物が工場移転や突発的な事故により土壌を汚染している状況が次第に人々に知られるようになった。

 そこで報道に従い、毒地をめぐる状況を紹介したい。

再開発は土壌汚染問題のゆりかご

 中国の大都市における再開発の方針は「退二進三」の四字だ。第二次産業を都市の中心から移転させ、第三次産業に転換させる。首都・北京では都市を取り巻く道路が内側から二環路、三環路、四環路、五環路といった具合に何重にも取り囲んでいる。産業構造調整と土地利用高度化の観点から中心部に近い二環路内の工場を三環路より外側へと移転させるという意味合いが「退二進三」に込められている。

 こうした方針から、北京では50年余り前の大躍進時代に建設された工場が閉鎖され、郊外への移転が進められた。ところが、工場は引っ越すことができるが、土壌に残された汚染はいっしょに引っ越すわけにはいかない。その結果、大量の土壌汚染地が白日の下にさらされる状況が出現した。

 2004年以降、毒地が引き起こした急性中毒事件が相次いで発生した。2004年4月には北京で地下鉄工事中の3人の作業員が化学物質の中毒で倒れた。そのうちの1人は重症である。事故現場はかつての農薬工場だったという。2006年7月には、除夜の鐘で有名な寒山寺のある江蘇省蘇州市の市街地にある化学工場の跡地で6名の土木作業員が倒れた。2007年初めには、湖北省武漢の農薬工場の跡地で作業中の労働者が中毒で倒れた。

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「中国を悩ませる土壌汚染問題「毒地」」の著者

青山 周

青山 周(あおやま・めぐり)

経団連中国事務所長

経団連事務局で地球環境・エネルギーグループ長、アジアグループ長などを歴任。2012年4月に中国事務所新設により初代所長に就任。中国上海の復旦大学に留学経験があり、中国と環境分野に強い。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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