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マレーシアで「ハラル」認証を取りイスラム市場を開拓する

【最終回】親日だが日系製品のブランドが通用しない国

  • 井出 潔

  • 細井 麻子

  • ゲーリー 村上

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2012年10月11日(木)

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 本連載では、マレーシアに既に進出済み、もしくは進出を検討している企業を対象に、マレーシア政府が進めている政策、国を取り巻く環境、強み・課題を見てきた。最終回となる今回は、日系企業の活用パターンと現地での成功のポイントを見ていこう。また、現地駐在の楽しみについても触れる。

ハラル・ハブとしての存在感

 マレーシアのイスラム国家としてのもう1つの重点政策「ハラル・ハブ」について見てみよう。イスラム金融については前回述べたが、「ハラル認証」についても各国食品企業の間ではマレーシアの認証を経て、背後に控える大規模なハラル市場を相手にビジネスに行おうとする動きがある。

 他国のハラル認証は、宗教関連機関が認証機関も兼ねていることがほとんどであり、非イスラム教徒にとっては理解が難しいことがあるが、マレーシアのハラル認証はハラル産業開発公社(HDC)による国家認証である。また、マレーシアのハラル基準は世界で2番目に厳しいと言われており、マレーシアで認証が取得できればイスラム圏のほとんどどこにでも輸出できる(1番厳しいのはサウジアラビア)。2000年、味の素の商品にラルで認められていない成分が含まれているという指摘を受け、インドネシアで問題になったことがあるが、イスラム教徒にとってハラルはそれほど厳しい戒律だ。

 しかしながら、ハラル認証さえクリアすれば、世界のイスラム教人口約18億人を相手に市場規模2兆1000億ドル、食品だけでも5800億ドルと言われるハラル市場でビジネスを行うことが可能になる。前述の味の素は、問題となったインドネシアのハラル認証を再取得するとともに、マレーシアHDCのハラル認証も取得している。日系企業では他に大正製薬、ポッカ、花王などがHDCのハラルを取得しているが、世界でもネスレ、ダノンといった食品メジャーがHDCの認証を取得しており、マレーシアをハブにイスラム圏での食品ビジネスを展開している。

ハラル認証は食品だけでなく、化粧品にも適用される。写真はクアラルンプールのスーパーで売られていた花王の製品。バーコード左横の丸いマークがHDCのハラル認証マークである

日系企業が存在感を高める高付加価値アイテム市場

 第1回でも触れた通り、近年マレーシアでは生活必需品だけでなく、あれば便利な付加価値の高い家電が売れるようになってきている。この分野における日系メーカーのシェアは高く、パナソニックが家庭用AVメディアレコーダーやその他の家電用品で2割のシェア、パイオニアとJVC ケンウッドがカーナビやカーステレオなどで2割弱のシェアを占めている。2011年、低所得者向けに省エネ家電製品購入の補助金が出されたことがあったが、対象となった家電は冷蔵庫とエアコンで、なんと補助が認められた対象品目の65%が日系企業製品であった。

 自動車・二輪車市場においても高付加価値製品分野での日系企業の存在感は高い。ダイハツ工業、明石機械工業、マレーシア自動車メーカーのプロデュアの合弁会社「明石機械マレーシア」では、これまで日本から輸入していたオートマチック・トランスミッション(AT)の生産拠点をマレーシアに設立すると発表した。これまでマレーシアではATは生産されておらず、マレーシア初のAT生産拠点となる。また、政府が誘致を推し進めるエコカー技術では、2011年、ホンダがハイブリッド車でシェア1位を獲得した。マレーシアではまだエコカーの市場は小さいため、1位と言っても販売台数は4600台と小規模だが、今後の市場拡大をにらみ、2012年末から現地生産を開始することを発表している。

 同じホンダの現地子会社であるBoon Siew Hondaでも、二輪車の生産能力を拡大している。ホンダは、2010年時点でマレーシア二輪車市場の45%と圧倒的なシェアを占める。排気量100~125CCの比較的小型なものが主流だが、近年では街中で大型バイクを見かけることも増えてきている。余談だが、日本で販売されている「マレーシア仕様」と呼ばれるバイクは、実際にマレーシアで生産、もしくは、組み立てられたバイクである。イギリスの旧植民地であるマレーシアは、日本と同じ左側通行であり、輸出の際のカスタマイズが必要ないことは1つのメリットになっている。

 マレーシアは国民1人当たりのGDP(国内総生産)で見ると、ASEAN(東南アジア諸国連合)の中でもシンガポールを除けば頭一つ飛び抜けており、高付加価値商品の市場となっている。今後他国の所得が追いつくにつれて、周辺他国でこれら商品の売り上げ拡大も期待される。ASEAN各国に商品販売を展開する上での先行開拓市場としてマレーシアを位置付けることも可能であろう。

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