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「天才」と「ど根性」マネジャーは部下を育てられない

これからは「位置データ」があなたの上司に

2012年10月10日(水)

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 「営業の魔術師」と呼べる人に会ったことがある。今回はそのうちの一人のことから書いてみたい。

 その人はかつても今も、保険営業でトップクラスの成績を上げている。日本のみならず、世界ナンバーワンになったこともある。しかも何度もだ。もともとIT(情報技術)企業で営業をしていたのに、なぜか30歳のときに一念発起して保険の営業に転じたそうだ。

 彼はテレビにも雑誌にも一切出ていないし、講演も執筆もしない。このため一般には無名の存在である。

 ある人の紹介で、私はその方にお会いできた。2年ほど前のことである。会った場所は東京のとある高級ホテル、ロビーで待ち合わせた。私は少し早めの時間に行き、ソファに座って待っていた。

 私は少し緊張していた。なにしろ世界一という称号を持っている人と会うからだ。

 彼は待ち合わせ時間の1分ほど前に現れた。中肉中背、屈託のない笑顔を見せる、どちらかというと人懐っこい感じの男性だ。身につけたスーツやネクタイ、時計、靴、どれもきちんとしているものの、派手さはなく、どこにでもいそうな人だった。

 だが、ソファから立ち上がって、彼に挨拶した瞬間、私は感じた。この人は何かが違う。世界一の人という先入観を持っていたのは間違いないが、それだけではない。

魔術師は自分から話さない

 ロビーに隣接するカフェに入って座ってから、10秒近く、お互い何も話さなかった。彼は微笑を浮かべたまま、じっと私を眺めている。私は緊張して何も言えない。

 そうしていると「何から話したらよろしいでしょう」と彼は私に質問してきた。私は照れ笑いを浮かべて「確かに、何を話したらいいのでしょうね」と返すのがやっとだった。

 私は最初から彼の雰囲気に飲まれていた。まるで未開の地に君臨する王のような態度で彼は座っていた。決して体は大きくないのに、どっしり構えているせいか、私よりもずっと大きく感じられる。威圧感とは違う。私より10歳近くも年下と聞いたのに、彼が私を包容しているかのようだった。

 「何から話したらよろしいでしょう」と言ってから、彼が次の言葉を出すまでには、かなりの時間があった。その間、私はひたすら話していた。

 彼はじっと私の話に耳を傾けていた。まるで早朝の森に降り注ぐ、太陽の光に目を細めているかのような視線で私の顔を見続けた。

 一方的に私が話していたものの、コミュニケーションの主導権は彼が握っていた。主導権を取るには無言を貫くほうがよい。無言に耐えられず、隙間を埋めるように言葉を足し続けていると、言葉を足すことに意識が集中しすぎて、相手を観察する余裕が失われていく。

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「「天才」と「ど根性」マネジャーは部下を育てられない」の著者

横山 信弘

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

経営コンサルタント

CSK、日立製作所を経て、現在アタックスの主席コンサルタント。営業目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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