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「マーケットは“読む”より“感じろ”!」

第3回:市場の実態と商機を見極めるために

  • 山下 充洋

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2012年10月12日(金)

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 日本国内であろうと海外であろうと、新しいマーケットを開拓しようとする前に、市場調査に力を注ぐ企業は少なくない。確かに、調査は重要なプロセスなのだが、比較的簡単に詳細なデータが手に入る国内マーケットに対し、海外、とくに新興国マーケットに関しては、データの入手が難しい、データそのものが“存在しない”といったケースが頻繁に起きる。そこで今回は、読みにくい新興国マーケットへの対応法について聞く。(聞き手は伊藤暢人)

市場の将来性は、“伸びしろ”で判断

新興市場への進出に関してマクロの数字を重視する企業は多いです。もちろん、事業の分野によって基準が異なるものですが、山下さんはどんな数字に留意してきましたか?

山下:化粧品のような生活消費財に関して、単純にマーケットのポテンシャルを知りたいだけならば、「人口×1人当たりGDP(国内総生産)」というふうに因数分解すればいいと思います。ただし、1人当たりGDPが小さい=魅力のないマーケットと勘違いしてはいけません。たとえ現在の市場規模が小さかったとしても、GDPが小さくても経済成長率が高いなら、“伸びしろ”が大きいと見るべきで、進出するべきマーケットであると解釈できます。

 たとえば、インドネシアの人口は2億4000万人で1人当たりのGDPは3800ドル前後。人口は中国、インドには劣りますが、日本の2倍です。一方で、1人当たりのGDPは低いですが、それは伸びしろがまだまだあるということですから、十分に挑戦する価値がある市場ですね。成熟した日本やシンガポール・香港・台湾・韓国などよりも化粧品市場は高い可能性と成長性を秘めたマーケットだと言えるわけです。

 インドは、人口が12億人で、1人当たりGDPは1500ドルという市場です。国民の暮らしが豊かになるにつれて化粧品を使う人が増えるでしょうし、売られる化粧品の種類も増えるでしょう。1人当たりの購買力も上昇し、化粧品の消費金額も増える……と強気の見込みが立てられます。インドのようなポテンシャルの高い市場では、早く出てシェアを取ってしまった方が勝ちと判断し、マンダムは今年3月に約10億円を出資し新会社を新設しました。

 一方、中国も人口が多い国ですが、経済成長率はすでに一時的に停滞期に入っています。人件費の伸びは依然高く、成長自体は鈍化傾向を見せ、広告宣伝費の高騰も続いています。またメインのキープレーヤーも決まり始めており、このタイミングで市場シェアを取ろうとするならば相当大きな資本投下が必要になります。

 ですので、インドやフィリピン、インドネシアなどの新興国ならば、最小資本で効率のよい資本(事業)投下(投資)ができると思います。

 一般的に2000~3000ドルの水準であった1人当たりのGDPが、1年で5割アップしたり、数年間2桁成長することは珍しくありません。1万ドルを突破すると、消費者の行動が先進国のそれに変わります。それまでが、ある意味ではチャンスでもあります。

(編集部注:化粧品業界ではGNPをベースに検討することもあるようです。今回は多くの産業で一般的に使えるようにGDPを使用しました)

データの精緻さにこだわるのは日本人が陥りがちなミス

しかし、こうしたデータだけでは一般的な情報しか得られないのではないでしょうか。

山下: 人口、GDP、世帯収入、業界の規模、小売業、人件費、などといった一般的に公表されているデータは、ちょっと調べればどこの会社でも取れるものなので、ライバルに差をつける情報にはなりません。

 にもかかわらず、データを集めること自体が目的化してしまい、いたずらに様々な種類のデータ収集や市場調査に大きな時間や労力を費やす日本企業が多い。気をつけてください。

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