• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「原発ゼロ社会」は選択の問題ではない。不可避の現実である

9・11学術会議報告書の衝撃

2012年10月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回から読む)

 筆者は、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、内閣官房参与として2011年3月29日から9月2日まで、官邸において事故対策に取り組んだ。そこで、原発事故の想像を超えた深刻さと原子力行政の無力とも呼ぶべき現実を目の当たりにし、真の原発危機はこれから始まるとの思いを強くする。これから我が国がいかなる危機に直面するか、その危機に対して政府はどう処するべきか、この連載では田坂広志氏がインタビューに答える形で読者の疑問に答えていく。シリーズの8回目。

政府も財界も気づかない最大の「アキレス腱」

民主党政権が「革新的エネルギー・環境戦略」において表明した「原発ゼロ社会をめざす」という方針に対し、財界からは「原発は、コストの安い電源だ。安全性を確認して稼働し、存続させるべきだ」「原発を稼働しないと、日本経済が破綻する」「核燃料サイクルを放棄すると、日米関係がおかしくなる」といった強い批判が起こっていますが、この問題を田坂さんは、どう考えるでしょうか?

田坂:財界の方々が、エネルギーコストの問題や、日本経済の問題、さらには、日米関係の問題を考え、こうした懸念を表明される気持ちは分かるのですが、財界を始めとする原発維持を主張する方々が、いま、見落としてしまっている極めて重要な問題があるのです。

何でしょうか?

田坂:「原発ゼロ社会」というのは、「政策的な選択」の問題ではなく、「不可避の現実」だという問題です。

 いま、政府、財界、メディアを含めて、「日本という国は、原発ゼロ社会をめざすべきか否か」という論調で、あたかも、「原発ゼロ社会」というものが「それを選ぶか、否か」という「政策的な選択」の問題だと思い込んでいるのですが、実は、「原発ゼロ社会」とは、好むと好まざるとに関わらず、否応なくやってくる「不可避の現実」なのです。
 残念ながら、いま、政府も財界もメディアも、その一点を完全に誤解して議論をしています。

なぜ、「原発ゼロ社会」が「不可避の現実」なのでしょうか?

田坂:原子力発電と核燃料サイクルが抱えてきた最も致命的な「アキレス腱」が切れてしまったからです。

「最も致命的なアキレス腱」とは?

田坂:高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料の「最終処分」の問題です。

 この最終処分の問題は、昔から「トイレ無きマンション」という言葉で、原発推進に反対する方々から批判されてきた問題です。要するに、原子力発電と核燃料サイクルから発生する「ゴミ」を安全に捨てる方法が確立されないかぎり、いずれ、原発は稼働できなくなる、という問題です。

世界が壁に突き当たる高レベル廃棄物の最終処分

田坂さんは、その「高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料の最終処分」の専門家でもありますね?

田坂:ええ、私は、40年前に「原子力」というものに人類の将来のエネルギー源としての夢を抱き、原子力工学科に進み、原子力工学で学位を得た人間です。そして、その博士論文のテーマは、まさに、この「高レベル放射性廃棄物を、どのようにすれば安全に処分できるか」というテーマでした。

コメント21件コメント/レビュー

やっとまともな記事がでてきたように思います。経済界の幹部の人達は、過去の延長線でしか考えられないから原発ゼロを受け入れないと考えていましたが、過去の延長線で考えても原発ゼロしかありえないということを明確にしめしてくれました。要は、都合の悪いデータを無視しているだけということだと思います。原発ゼロに大きく舵をとれば、経済も活性化する可能性が大きいと思います。気付いた人たちは、もう動き出しているようです。(2012/10/17)

「元内閣官房参与・田坂広志が語る原発危機の真実」のバックナンバー

一覧

「「原発ゼロ社会」は選択の問題ではない。不可避の現実である」の著者

田坂 広志

田坂 広志(たさか・ひろし)

多摩大学大学院教授

1974年東京大学卒業、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。米シンクタンク客員研究員などを経て、2000年多摩大学大学院教授に就任。2011年3~9月、東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

やっとまともな記事がでてきたように思います。経済界の幹部の人達は、過去の延長線でしか考えられないから原発ゼロを受け入れないと考えていましたが、過去の延長線で考えても原発ゼロしかありえないということを明確にしめしてくれました。要は、都合の悪いデータを無視しているだけということだと思います。原発ゼロに大きく舵をとれば、経済も活性化する可能性が大きいと思います。気付いた人たちは、もう動き出しているようです。(2012/10/17)

やっと私の思う発言が出てきた。経済界は、50年先には、アフリカ、南米、東南アジアも、経済的レベルが、世界的に均一化していくのがおおよそ見当がつくではないか。その時に、あわてて、成長率0%を、模索していては、遅すぎる。今から、エコロジーと、ゼロ成長、自給自足を考えた、国の政策をしていくべきだ。すでに中国が怪しいのだ。13億を頼りに観光客を期待したり、工場をまだ外国に作って、人件費の削減?次はインドかベトナムか、・・・台湾には、コンピューターの最先端がある?日本の真価を見直して、町工場から、ソフト作成までしっかり、やっているのだ。足元を見直してほしい。(2012/10/14)

核ゴミの心配は不要ではないですか。次の総選挙で原発推進ないし脱・脱原発を旗印にして当選してくる議員さんやそうした議員さんを当選させた選挙区からは「核ゴミは我が選挙区で引き受けたい」との提案が殺到するであろうことは確実ですし、「脱原発は無責任」と叫んでいる財界からも「核ゴミの処理費用は自分たちに持たせて欲しい」との声が挙がるのも確実でしょうから。(2012/10/12)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長