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「海外進出におけるリーダーは、経営者的であるべし」

第5回:現地に派遣する人材像とその役割

  • 山下 充洋

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2012年10月19日(金)

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 前回は、現地法人の骨格となる人材を、人種による特性の違いを踏まえて配置するコツや、本社とローカルとの役割分担の考え方、そして日本人出向社員の役割と心構えについて聞いた。そこで今回は、組織全体を束ねる現地法人の社長が、どのような視点を持って経営に取り組むべきなのか、また不測の事態が起こった場合に、いかに対応すればいいかといった“トップの心得”について、実例を交えつつ解説してもらう。(聞き手は、伊藤暢人)

山下さんの駐在歴が合計で20年というのは特殊なケースかもしれませんが、基本的にマンダムでは駐在期間が長いですよね。

山下:1カ国に5~6年はザラです。というのも、我々のようなFMCG(日用品)の商売では、1年だけではその国の季節や商戦期が分からないし、言葉の問題もあって、そう簡単には結果がでません。たとえ英語がネイティブ並みにしゃべれたとしても、やはり組織の末端にまで意思を伝えようと思ったら、現地語、タイ語やインドネシア語や中国語などをマスターしなければなりません。これには最低でも1年はかかるでしょう。1年目で季節や商戦期、そして社内のメンバーを掌握して、その国や地域の言葉を覚える。2年目には自分で予測を立てて、タイムリーな販売・商品企画を立案して、実行できる勘が身につき、ようやく全体が見えるようになります。現地の社内外を掌握して、経営者として本当の意味での仕事ができるのはせいぜい3年目からです。

 言い換えれば、着任3年目で初めて、自分で予測して、自分の思う通りに準備して、企画して、1年間を回せるようになる。ここでやっと、一人前ということです。ただ、これは初めて駐在トップになった場合に限ります。2回目や2カ国目の駐在の時はもっと早く現地に順応できますので期待値は当然高い。

 マンダムでは、5年プラスマイナス1年を基本と考えています。現地を肌で知ってもらう意味でも、そのくらいの歳月は必要です。赴任から5年目に入ったら新しいミッションを本人に提示して、さらに3年位延ばすか、帰任したいのならば後任の人間を送って引き継ぎをすませ6年目で日本に返すかを決めます。

「許しを請う」タイプと「許可を得る」タイプの違い

では現地法人社長として長く才能を発揮する人材には、何か共通点があるのでしょうか?

山下:現地でやるべき“絵(=ビジョン)”を自分で描くことができて、自分がやるべきことと、組織で取り組むことを自分で決めることができる。そして、責任を取る覚悟がある人材は伸びますね。結果的に失敗してもビジョンを理想とし、常に考える努力をしている人材、考えている人材は有望です。

 成長するタイプの人材の見極め方ですが、「○○をやろうと思います。やらせてください!」と「許しを請う」タイプは有望です。このタイプなら、日本から指示を出さなくても、実績がどうのと管理しなくても、自分から「1ドルでも売り上げを上げたい、利益を増やしたい、経費を下げたい」と常に考えて、自分で目標を決めて、その瞬間から何をすべきかを考えて、決意して、すぐに動き出しますね。成長スピードの速い新興国で、日本からの指示を待っていたり、日本の顔色を見たり、「来期から取り組みたい」なんて悠長なことを言っているようでは、市場の変化に置いていかれ競争に負けます。ライバルの中には、国際的な大企業や、予算など関係なく赤字覚悟でドンドン資金を投入してくるオーナー系企業が多くいます。そんな相手と戦っているわけです。潰すか潰されるかのシビアな世界ですからね、ビジネスは。

 一方、駐在をしている間だけつつがなく、無事に過ごせれば良いんだ、などの甘いことを考えているタイプは、「山下さん、○○をしてもイイですか?」と、「許可を取り」に来ます。つまり「イイですか?」と聞いて精神的には半分責任を私に投げているのですね。こちらに、YesかNoかを決めさせようとしているこのタイプの人材は大きな成長は期待できませんし、大きな仕事もできません。

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