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EMS産業の発展は北米系企業が牽引した

モノづくり力が優れてなくても受託できた理由

  • 稲垣 公夫

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2012年10月17日(水)

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 最近、フォックスコン(富士康科技集団)というEMS(電子機器の受託製造サービス)企業、そしてその親会社である台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に関するニュースがしばしば登場する。アメリカのマスコミではフォックスコンはアップル製品の製造を受け持つ会社として有名で、特に同社の労務管理や労使関係の問題が話題になる。日本では同社のシャープへの出資交渉の行方が大きな話題になっている。

 そもそもEMSは自らのブランドを持たない電子産業の黒子役で、ニュースの前面に出ることが今まではほとんどなかった。にも関わらず、フォックスコンがマスコミにこれだけ取り上げられる最大の理由は、同社がアップルという驚異的な業績を達成している会社の製品製造を、ほぼ全面的に受け持っているためだ。製造業の関係者にとってアップルがモノづくりを全面的に委託しながら、30%もの営業利益率を出していることは、今までの常識に反する衝撃的な事実だろう。

 フォックスコンの現状に関しては多くの記事が紹介している。しかし、同社がいつごろから、そしてどのようにEMS産業の巨人に成長したのかということに関する記事はほとんど見当たらない。本連載では「EMS産業はどのように発展してきたのか」、「フォックスコンはなぜあっというまにEMS産業でダントツの企業に成長したのか」、「フォックスコンは今後とも急成長を続けられるのか」という観点から論じてみたい。なお本連載では「ホンハイ」と比較して、北米をはじめとしてグローバルなブランドとして名が通っている「フォックスコン」をメインに取り上げている。

EMS産業の勃興と隆盛

 EMS産業は、1990年代に北米で勃興した新興産業だ。そのきっかけとなったのはIBMやHPなどの大手IT企業が、コスト競争力を高めるためにプリント基板組み立ての外部委託を加速させたことと、シスコやサン・マイクロシステムズなどの元々社内に製造を持たないベンチャー企業が急成長したことだった。さらに1996年の通信自由化法によってアメリカの通信市場が大幅に規制緩和され、膨大な資金が通信インフラ投資に集まったことがEMS産業の成長を加速させた。通信自由化法は通信関連株のバブルを引き起こし、シスコなどの新興企業だけでなく、ルーセントやノーテルといった100年以上の歴史を誇る老舗企業の株価までも現実離れした水準に引き上げた。

 こうした熱狂的な雰囲気の中で、通信機器メーカーの経営陣は株価を上げるために多数の自社工場をまとめてEMS企業に売却し、製造のアウトソーシングを一気に拡大した。しかし、通信バブルは2000年代に入ると崩壊。その結果、EMS産業は企業買収による業界再編成が進み、一握りのメガEMS企業の寡占状態になった。

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