• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「日本の常識にこだわると売れるものも売れなくなる」

第7回:“買い場”目線で考える販促術

  • 山下 充洋

バックナンバー

2012年10月26日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 これまで、海外に進出するメーカーは、“日本製”の売りである品質や性能の高さを生かして、富裕層向けに高価格の商品を売り込むことが多かった。しかし、マンダムが東南アジアで圧倒的なシェアを取るに至った戦略は、買いやすい価格で人口のボリュームゾーンにアプローチし、現地の消費者に近づくというやり方だった。

 その基本姿勢を表す象徴的な言葉が「何事も生活者の立場になって、お役立ちをする目線に立って考える」だ。どのように売るかではなく、どのように買われるかを見極めて生活者視点で“買い場”を作ってきた。「日本でうまくいったから」というメーカー側の理屈は通用しない。体験談から、品揃えの考え方や宣伝活動などに関しても、新興国マーケットならではの難しさがあり、面白さがあることが伝わってくる。(聞き手は、伊藤暢人)

インドネシアの店頭でサチェット(小袋)入りの整髪料が売られている様子は印象的です。小売店によって、品揃え・販促・宣伝の方法に違いはあるのでしょうか?

山下:新興国では地方と都市部の格差が大きい。同じインドネシアでも首都圏や量販店の一部は香港やシンガポールとあまり変わらない水準です。他方、大型ショッピングセンターすらない地方やごく小さな“パパ・ママ・ショップ”だけの地域もあります。後者の場合は、塩・石けん・シャンプーやタバコ、スナックなどが雑然と並ぶ店頭で、マンダムの整髪料のサチェットも一緒に売られています。ちなみに、このクラスのお店は、たばこは箱売りではなく1本売りが普通で、サービスで火をつけてくれたりします(笑)。

 また、日本に比べて流通サイドの力が圧倒的に強い東南アジアの商習慣では、メーカー側が店頭陳列要員を派遣しないと、なかなか自社商品の売り場をメンテナンスできす、優位な陳列をしてもらえません。FMCG(日用品)メーカーの中でマンダムの製品は「一般品」に分類されていますので、優位な陳列により売り場で存在感を示せるかどうかが売れ行きを大きく左右します。また、GDP(国内総生産)が大幅に上昇しはじめてからさほど時間がたっていない新興国の消費者は、日本の消費者と比較すると自分の価値感で商品を選ぶことに長けていません。そのため、テレビCMなどマス広告の効果は大きいのですが、派手なCMを打ち続けるだけの資本力を持っているメーカーは少ないのが現実です。

 いかに「商品そのもの」で魅力を伝え、店頭で目立つようにできるか、そしてそれを地方の末端小売店の店頭でも実践できるかが勝負のカギとなります。これは相手がパパ・ママ・ショップのオーナーであろうと、大きな組織小売業でも、首都圏でも地方でも同じです。

心にすーっと届く要素は国や時代によって変化する

商品のコンセプトやストーリーを伝えるための具体的な方法があれば教えてください。

山下:まず店頭での訴求力を上げるように“買い場”を整えることですね。棚の目立つ位置に出ているか、既存商品であっても“鮮度”を保てるようにポスターやPOPが新しいものに変えられているか、といったことを常に確認しています。さらに、担当者が訪問できなくても、その小売店の販売員に知識がなくても、そこに商品があるだけで消費者の心の中にすーっと入っていけるように、商品名やキャッチコピーなどに工夫を凝らすことです。

 たとえば、1つの商品に含まれている成分の中で、その地域、時代性、季節に一番しっくりくるものは何なのか?メントールなのか、香りなのか、容器の機能なのか、など最も理解してもらえるものを前面に、そして分かり易く表現することです。極端な例かもしれませんが、「うぐいすのフン」は日本では昔から美容成分として知られていますが、海外では当然汚いものと敬遠されます。このように日本人が知っていることを、そのまま表現すればいいというわけではありません。現地の生活者が分かるように、分かるものを使って、身近に感じてもらえる方法で、言葉で、表現で、販売していきます。こういう細かい戦術を現地スタッフとともに十分に議論し確認しながら考えていくことです。

コメント0

「新興国市場で成功するための実践講座」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

私の仕事は経営することではなく、リーダーであることです。

ジェンスン・フアン エヌビディア創設者兼CEO