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破綻国家に住む「キリギリス組」の悲惨な現実

欧州現地ルポ ギリシャ編(前編)

  • 豊島 逸夫

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2012年10月26日(金)

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 私は、昨年秋から、独立して得た自由を利用して、ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、スペインの欧州訪問を繰り返している。1人で現地に飛び、英語と現地語を話す通訳を見つけ、一般家庭を訪問し街頭インタビューを重ねている。

 知りたいのは、財政破綻した国家で「普通の市民」がどう生きているか。ここからの連載では、国際報道やマクロデータからは見えないリアルな市民生活の実像を紹介したい。

 結論から先に言うと、「日本は数年先に経済的な修羅場を迎えるものの、条件付きながら、それを十分に乗り越えられること」を確信した。

 まず、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドについて見てみよう。どの国でも庶民層の二極化が顕著だ。資産形成をして1~2年の経済の修羅場をしのげる蓄えを持つ「勝ち組」と持たぬ「負け組」の差が残酷なまでに出ていた。アリ組とキリギリス組の差とでも言えようか。

1年分の蓄えがあれば、国家破綻時もしのげる

 蓄えを持つアリ組は生活水準を2~3段階下げ、シンプルライフに徹することで、十分にやってゆける。ミシュランの星を追わなければ、地元特産の素材を生かした料理がどこでも一番おいしい。アイルランドの首都・ダブリンのクリスマスプレゼントの人気商品はサクランボの盆栽。質素だが、財政破綻に揺れる気持ちを癒す。

 ところが、蓄えのないキリギリス組は悲惨だった。賃金カット、年金カットで待ち受けるのは教会の受け入れ施設だ。でも、プライドがあるから葛藤する。

アテネでインタビューした40代の夫婦。身なりは良いが失業中だった。蓄えがあるから当座はしのげるが、それが尽きたら教会のお世話になるという

 また、ギリシャとアイルランドでは国の基礎体力の差を見せつけられた。アイルランドは12.5%の低法人税率で米国系ハイテク企業を積極的に誘致し、国民の教育レベルも高い。ゆえに経済危機からの脱出も早い。破綻経験国家の中では優等生だ。同国国債利回りも劇的に下がっている。

 つまり、国内に産業基盤がある国の庶民は、1~2年の経済的な修羅場をしのげば、立ち直れる。これは日本人にとって勇気づけられる実例となろう。

 その際、冒頭に述べたように条件付きというのは、蓄えがあるか否かだ。それも現金で。

 だから私は、周囲の若者たちには、年金の心配などする前に、まずは1~2年何があっても生活できるキャッシュを持つようにと説いている。

 それでは、ギリシャの様子を詳しく見てみよう。

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