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家庭用燃料電池「エネファーム」の将来性は未知数

普及のカギは“黒船”との競争

2012年10月22日(月)

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 前回、燃料電池車(FCV)の将来性について、「まだこれから」「普及は当面限定的」と言ったが、燃料電池のもう1つの利用法である家庭用分野での可能性はどうだろうか。

 2009年1月28日、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス、新日本石油、アストモスエネルギーの6社は共同メッセージ「エネファームで環境立国ニッポンへ」を発表し、2009年度から販売する家庭用燃料電池「エネファーム」を世界に先駆けて普及させると宣言した(エネファームの仕組みは東京ガスのサイトを参照)。

 確かに、これら企業の意気込みは盛んであり、私の周りでも「エネファーム」を導入するユーザーが増えてきた。

「自産自消型」発電として期待

 「エネファーム」(ENE・FARM)は家庭用の燃料電池システムで、電気と同時にお湯を作り出す、コージェネレーション(熱電併給)システムの愛称である。2008年6月25日に燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が家庭用燃料電池の認知向上を推進する取り組みとして「エネファーム」という統一名称の使用を決定したものだ。

 燃料電池は、“電池”と呼ばれてはいるが、外部から燃料の水素(H2)と酸素(O2)を供給し続けることで継続的に電力を供給することができるため、実質的には発電機と考えるべきである。燃料電池車(FCV)では燃料の水素は高圧タンクに充填して搭載するが、エネファームでは都市ガスやLPガスを使用現場で改質して使っている。

 エネファームが注目される理由の1つは、東日本大震災に端を発する停電リスクや電力不足への対応手段の必要性が増しているからだ。既存の電力網に頼らず、消費現場で発電できるエネファームは、自産自消型の発電装置として期待されているのである。そのため、積水ハウス、大和ハウス、ミサワホームなどの大手住宅メーカーがエネファームを標準装備するスマートハウスを発表している。

世帯普及率は太陽光発電の50分の1

 エネファームの国内販売台数は、まだ低レベルながら、順調に増加している。2009年9月に販売が開始され、初年度は全国で5000台のエネファームが導入された。以降、毎年着実に販売台数を増やし、東京ガスや大阪ガスなどが既に累計で約2万台を販売。2012年度に新たに2万台近い販売台数が見込まれるため、2012年度末には累計導入台数が4万台を超えるとの強気の見通しもある。業界では、2030年までに累計250万台の普及を目指すと言う。

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「家庭用燃料電池「エネファーム」の将来性は未知数」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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