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「英語が話せる」はゴールに非ず、問われる“アーティキュレーション”

2012年10月25日(木)

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 「たった今、テレカンファレンスを終えたが、ジャパンの説明は全体的に内容が乏しく全くダメ。何を言いたかったのかよく分からなかった」

 米国インテル本社の事業部門のトップから僕のところに、こういう内容の電子メールが送られてきました。その事業に関する日本側の責任者と電話会議をしたものの、日本側が言っていることを理解できなかったというのです。

 僕はインテルの日本法人であるインテル株式会社の社長を務めており、日本でのビジネスに責任を持っています。日本の組織は社長である僕に直結していますが、同時にグローバルな事業運営をしており、事業ごとにそれぞれグローバルなレポートラインが存在します。米国本社と日本のすべてのやり取りに僕が入る訳ではありません。

 米国の事業部門と日本側の定例会議は毎日のように開かれており、たまたまその日は米国側のトップが出席したのです。ところが話がさっぱり分からないので、そのトップは僕にメールを送ってきた。メールの簡潔な文面を見る限り、怒っているわけではなく、困惑した様子でした。

 仕事のメールは、会議と会議の合間や移動時間に極力読んで返信するようにしています。次の会議が始まる前でしたので、取り急ぎ日本の責任者に「何が起こったのか」と書いたメールを送りました。

 会議が終わってメールを確認すると、日本側の責任者から返信が来ていました。「20分しか時間がなかったが、色々なことを言おうと説明資料を沢山用意した。結局20分間、ほとんど自分たちだけで話してしまった。何かうまくかみ合わなかった」そうです。

 社内の話で恐縮ですが、こういったことは時折起こります。僕も若い頃、米国人の上司から「お前の話は全く分からない」としょっちゅう叱られていました。

 上司と話すチャンスがあると自分の言いたいことだけ一生懸命伝えようとする。相手に聞こえているか聞こえていないのか、自分の英語がきちんと理解されているのかされていないのか、そういうことは気にしないで、とにかく用意したメモをひたすら読む。

 時間内に読み終わって、やれやれと思っていると雷を落とされる。こんな感じでした。

 身に覚えがあるので、こちらも怒るわけにはいきません。「何が言いたかったか分からない」と言われた日本側の責任者にメールし、次回はもうちょっと工夫するように伝えました。

 電話会議で何が起こったか、十分想像できます。久しぶりに事業部のトップが出てきて直接話ができる、それでは、ということで、日本側の責任者や関係者が説明資料をプレゼンテーションのシートにして10数枚作り、電話会議に臨んだのでしょう。

 ミーティングの資料はすべて事前に、全世界の社員がアクセスできる情報共有システムに上げておきます。米国側は資料をダウンロードして、米国と日本で同じ資料を見ながら電話会議を始めます。

コメント8件コメント/レビュー

外資系に勤めています。昨年より上司が外国人に変わり、そこでさかんに言われるのが「Articulateしろ」ということです。単純にモノゴトをexplainできたり雑談ができる、ということではなく、その場に適した言葉を選び、相手をconvinceさせることができるロジックを持つ、ということがその「articulate」に含まれています。連載楽しみにしています。(2012/10/29)

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「「英語が話せる」はゴールに非ず、問われる“アーティキュレーション”」の著者

吉田 和正

吉田 和正(よしだ・かずまさ)

インテル株式会社代表取締役社長

1982年米コロラド西州立大学社会学部卒業。1984年インテルコーポレーションに入社。2003年6月1日インテル株式会社代表取締役社長に就任。2004年12月インテルコーポレーション副社長を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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外資系に勤めています。昨年より上司が外国人に変わり、そこでさかんに言われるのが「Articulateしろ」ということです。単純にモノゴトをexplainできたり雑談ができる、ということではなく、その場に適した言葉を選び、相手をconvinceさせることができるロジックを持つ、ということがその「articulate」に含まれています。連載楽しみにしています。(2012/10/29)

サンノゼの空港から飛行機が飛び立つとすぐに見えるインテル本社の屋上に"Intel in it"のロゴが書かれてあって、このユーモアを持ち合わせているのがこの会社の強みかなと感じたことがありました。当時はWintelと呼ばれ時代の先端企業の代名詞でした。その時代が築かれる時代とその後の変化を見てこられた筆者のこれからのコラムに期待します。 ☆友人(日本人)は時々英語で説明したり、考える方が日本語よりいいといいます。理由は余分に言葉を知らない分、シンプルになるから。私も彼同様にアメリカで仕事をしているので同じように感じることがあります。日本語は漢字と熟語が使えるので文字数の割に内容が盛り込めます。もし英語で同じような内容を書こうとするなら、どうしても日本語より文字数が多くなる。なので、プレゼン資料などではギュッと縮めて1,2ワードで表現する必要があります。ここで一回考えるのが結構役立ちます。 ☆ネイティブに響く表現が必要なのは日々痛感しますが、日本に住む人が体得するのはスキルというにはかなりのハードルだと思います。伝えようとする気持ちは時に相手を動かしますが・・・その一方でプレゼンや説明での構成やロジックは誰でも取得可能なスキルだと思います。 ☆コメントの中に相手の気持ちを推し量る(心地よくさせる)ことと相手が言わないことの意味を推察することを同じにとらえているように思いましたが、筆者の言いたいことが伝わっていないと思います。相手を心地よくさせる、受け入れやすくされることは洋の東西を問わずあると思いますが、日本的阿吽の呼吸は東アジアでしか見かけません。このあたりにニュアンスが感じられないなら、海外でのビジネスは難しいし、自分が顧客でないならもっと難しい。 ☆一方、海外の企業にとってもこの文化の違いは間に入る人がこれらのギャップを吸収しないと日本でものを売ることができません。それが今回のモチーフの底にあるように思います。skydaddy(2012/10/27)

イリノイ州在住、某アメリカ企業に勤続10年です。時々日本支社から送られたメールなどを翻訳する機会があるのですが、その際に感じるジレンマを本コラムは的確に捉えていただいたように思います。格調高い(?)言葉でいっぱいに語られてはいても、メールの書かれたそもそもの目的というか、どう読み手が思ってくれたら成功なの?という部分が英語的・アメリカ人的にはあいまいなことが多いです。「で、これ質問?お願い?それともただコメントしてるだけ?」おっしゃるとおり、特にアメリカ人の読み手・聞き手に対する伝え方はスキルで、それは習得するものだと同感しました。次回も楽しみにしています。(2012/10/27)

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