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「JALに足りなかった『心』を稲盛さんが教えてくれた」

日本航空の植木義晴社長が再生を振り返る・後編

2012年10月23日(火)

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 2010年1月の会社更生法適用申請から2年半あまり。日本航空は東京証券取引所に再上場を果たした。経営再建に当初から携わり、パイロット出身として初めて社長に就くことになった植木義晴氏に、破綻から再建に至る道のりを改めて振り返ってもらう。今回はその後編(前編を読む)。

2011年度の業績を見ると、営業利益は2049億円で売上高営業利益率は17%。2年と数カ月前に破綻した企業とは思えない好業績でした。

植木:地道な努力を重ねた結果ですね。特効薬はありませんから。

 我々は毎月、業績報告会を開いて、各部署の数字が積み上がっていくのを見ています。それが徐々に進んで最終的には億単位の金額になった。「塵も積もれば山となる」という言葉があるけれど、実感しないとそうは思えません。ただ日本航空は破綻後、それを実際にやってきました。トイレや廊下の電気を消すことが第1歩です。今では廊下なんて真っ暗で、人とすれ違って手を振られても、2~3mまで近づかないと分からない(笑)。

社員の心が変わったから再上場できた

 こうした取り組みは、最初こそ何だと思ったけれど、慣れると不便は感じないんですね。その積み重ねで結果を出したというのが、全体的な感想です。

機体・路線・人員の整理や新人事制度の導入、部門別採算制度という基盤を2010年度中に作り上げた。それが2011年度の好業績に効いたと評価する声が多いようです。

植木:間違いありません。破綻から2年間でV字回復ができた大きな要因がそこにあります。

 我々も破綻前から気づいてはいたけれども、なかなか実行できず、先送りにしてきたこと。それを更生法下で、管財人の方々の力をお借りして断行した。破綻前のJALが10年かけてできなかったことを、(破綻後の)最初の1年間でできたことは非常に大きかったですね。

植木 義晴(うえき・よしはる)
1952年生まれ、60歳。京都出身。航空大学校を卒業後、75年に日本航空に入社。94年にDC10の運航乗務部機長になる。ジェイエア副社長を経て、JAL経営破綻後の2010年2月にJAL執行役員運航本部長に就任。同年12月から専務執行役員路線統括本部長となり、2012年2月に同社社長に就く。
(写真:古立 康三)

 ただ、前回もお話しましたけれども、それは単なる枠作りでしかありません。そこに魂が入ってなければ一時的なもので終わる。更生法下に入った企業は何社もあります。ですがそのうち、もう一度再上場を果たせた企業は1割弱しかありません。

 私も当初、更生法についてよく理解しておらず、管財人の弁護士の方に質問しました。「そもそも更生法って何ですか。更生法下におかれた企業は、どうやったら本当の意味で立ち直ったんですか」と。すると先生は、「我々が手がけるのは仕組み作りです」とおっしゃった。基本的に企業は、債務超過に陥って、財政状態が持たなくなって破綻します。更生法を適用することで、この財務状態を改善することはできるでしょう。ただそれで全てがうまく行くのであれば、更生法下の企業は全て立ち直るはずです。プロの管財人が入るわけですから。

 ですが実際に再上場できる企業は1割にも満たない。どういうことかと言うと、再上場までこぎつけるには、どうしても社員の努力が必要なんです。心を変えられるかどうか。これに全てがかかっています、と。

 こんな説明を受けた記憶が鮮烈に残っています。そしてこの2年、JALの再建を担ってきて、改めてそれを実感しています。

コメント4件コメント/レビュー

以前のJALは好きでしたが、もう怖くて今のJALには乗りません。(2012/10/23)

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「「JALに足りなかった『心』を稲盛さんが教えてくれた」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

以前のJALは好きでしたが、もう怖くて今のJALには乗りません。(2012/10/23)

記事内容からすると、社長は「土俵の真ん中で相撲をとる」になっていないで既に楽観主義に走っているように思えます。「最高のバトンタッチ」も税金を使ったり元の株主の事を忘れた社内だけに終わっているように思える。他人のふんどしで自画自賛的な感触を受ける。海外なら兎も角、今の日本では不要に危機感を煽らないよう大丈夫だというよりも、謙虚さと反省の姿勢で、「国民の皆様のおかげでここまで戻りました。まだまだ厳しいですが、天狗にならずに頑張ります」のように言っておくほうが良いのでは。国民に迷惑をかけたのだから問題点と解決法の具体的ノウハウを外部に公開するとか。この記事の表面的なものではなく。(2012/10/23)

「稲盛会長がいなくなってもJALは大丈夫」と言い切る社長に不安を感じる。稲盛哲学を本当に理解していれば、このような言い方は決してしないのではないか。更に心配なのは、会社更生法適用で結果的に大きな利益を上げた政府系金融機関の今回の功労者、国交省の功労者がJALに天下りしてくる事が予想され、現社長はその天下りを断れず、また破綻までの道のりを繰り返すのではないかと危惧する。稲盛会長は除くが、他にも魑魅魍魎がうようよいそうであり、うぶな社長には手も足も出ないのでは。断言は出来ないが。(2012/10/23)

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